13日(土)にSFCで行われた第27回秋祭にて、元℃-ute、現在はソロで活動中の鈴木愛理さん(17年環卒)がトークショーや開幕のテープカットなどのイベントに出演した。CLIP編集部は、来校当日、鈴木さんに大学生活での思い出やソロ活動での様子についてインタビューを敢行した。芸能活動も精力的に行ってきた鈴木さんは、どういう大学生活を過ごしていたのだろうか。

トークショーの様子 トークショーの様子

学祭には初出演! SFCの学祭にも初めての参加

—— 今回、久しぶりにSFCに凱旋来校されたということで、率直なお気持ちを聞かせてください。

ソロ活動を始めてから、初めて大学の文化祭に出演させてもらいました。しかもそれが母校だったので、こんなことあるんだなって思いました。現役の頃にも秋祭には来たことがなくて、℃-uteの時も母校でライブをすることもなかったので、色々なことが一気に重なって嬉しいです。

—— まだ正午くらいですが、秋祭は見て回られましたか?

まだ全然見てなくて、これからちょっと回れたらいいなって感じです。さっきミスコンの投票をしているテントに入ったら、お化け屋敷があると聞いて、「お化け屋敷!?」って思って(笑)。大学の文化祭は屋台とかおいしいものしか置いていないイメージがあって、高校生までしかお化け屋敷を見られないと思っていたので、楽しくて賑やかそうだと思いました。

—— 小さいころから芸能活動をしていると、やはり学祭に参加された経験はないのでしょうか。

中学までは文化祭に参加できたのですけれど、土日はいつもライブがあったので、なかなか参加できなくなくなりました。七夕祭にも行ったことがないんですよ。みんなが浴衣で集うというSFCの名物の(笑)。

研究や授業もきっちりと

—— 学生生活での一番の思い出は何ですか?

だいたいSFCに来る時って、ぎりぎり4限まで受けることができたら、すぐ都内に戻って6時から仕事みたいなことが多かったので、放課後を楽しむことがなかなかできなかったんです。そんな中、休みの時に湘南台ではなく辻堂のほうに行くバスに乗って、友達と辻堂を無駄に散策するっていう放課後をすごしたことがあって、それはすごく楽しかったです。

—— 辻堂では何をされましたか?

ショッピングモールに行って、中華料理屋さんの揚げ焼きそばみたいなのをフードコートで食べるっていう、本当にどうでもいいことをして帰りました(笑)。そんな束の間の放課後みたいなのが楽しかったです。あと、食べ物といえばSFCの近くの「まるたか」にもよく行っていました。

—— 海鮮丼が美味しい「味処まるたか」はSFC生のソウルフードですよね。印象に残っている授業はなにかありましたか。

環境情報学部に所属していたんですけど、プログラミングが超大変でした。本当に大変だった記憶しかなくて、情報基礎で仲良くなった先輩にずっと教えてもらいながら頑張ってやったな…。

あと、仕事の終わりに夜の9時くらいにSFCに「ゲープロ(ゲームプログラミング)」の課題を提出しに来たことがあります。バスのない時間に来なきゃいけなくて、でも提出できないと朝までいないといけなくて…。絶対にそれは嫌!と思って、その日に意地でも仕上げて提出して帰るっていう(笑)。色々と思い出はありますね。意外とちゃんと、大学生活していました(笑)。

—— 噂では、勉学もちゃんとさせるという事務所の方針だとか。

義務教育課程までは通知表提出でした。成績悪いと、ちゃんとしろって言われるみたいな(笑)。

—— 4年で卒業できない学部生も少なくはない中、仕事と勉学を両立しつつ4年で卒業できているのはさすがですね。

一番勉学していたのは、卒論の時です。すずかんゼミ(鈴木寛研究会)で、卒論を書きました。もともとは、音楽の認知科学をやりたくてSFCを目指して、受験の時には認知科学のことを調べて自己PRして入学しました。
でも、認知科学の授業は全部金曜日だったんですよ。金曜日はライブの予定があるかもしれないから授業を入れられなくて、一回も金曜日に来られたことがないんです。だから、金曜日じゃない時に開講されている脳科学の授業とか、知覚運動スキル論とか、そういう近そうなものを履修していました。
最終的に卒論は、音楽と認知科学を少し融合させた分野で、猫耳のついている脳波の計測器具を用いた実験をして書きました。なんか全然理系じゃないのに理系な論文を書いて卒業しましたね(笑)。

トークショーでは鈴木教授からのビデオメッセージも トークショーでは鈴木教授からのビデオメッセージも

—— 文系理系問わず入学できて、自分のしたい研究ができるというのもSFCのいいところですよね。研究もかなりしっかりされていたんですね。

研究が一番楽しかったです。ちゃんと学校卒業した感があるので(笑)。大変でしたけど、京都の宇治にいる時に卒論を提出したのは今でも覚えています。ぎりぎりまで添削されて、「お疲れ様でしたー!」って言って提出して(笑)。

6月からソロ活動。現在の活動の方針とは

—— ソロ活動を始められてしばらく経ちましたが、いかがですか?

一人になってからすごく思うのが、先輩後輩、ゼミ内外問わず大学時代に知り合った人と仕事をすることが多いってことですね。例えば、体育の食育の授業でたまたまグルワが3回くらい一緒になった先輩から今仕事がもらえることとか(笑)。

ソロ活動になってからは、こういう仕事がしたい、こういうことをやりたいとか自分の考えを発信することが増えたので、そこで大学で勉強したことや、プレゼンした時の感覚とかはすごく役に立っています。今でもプレゼンします(笑)。

6月にソロデビューしたばっかりなので、まだやったことないことの方が多いんですけど、それが楽しいって感じです。芸歴だけだともう16年目になるんですけど、一人になってからは「ご指導ご鞭撻のほどを…」って感じの新人感覚で常にやっているので、その冒険している感じがすごく楽しいです。

—— まだまだやりたいとや思っていることがたくさんありますよね。

そうですね、それこそ学校で学んだことがもうちょっとライブに活かせたらいいなってずっと思っています。

—— ソロになってライブをされた時には、自分で手掛けたことや、こだわりはありましたか?

ソロ活動をするときに、自分のこういうコンセプトで売っていきたいとか、こういう風に曲を作っていきたいとか、ホームページの作りをこうしたいとか、全部の打ち合わせに一から参加しています。10月31日(水)に武道館公演のDVDとBlu-ray Discが出ますが、そのライブの時ももちろんセットリストを作るところから、衣装の転換、イメージなど全部に意見させてもらっています。

—— ソロ活動をする上での目標があれば教えてください。

もちろん、こういうステージに立ってみたいなとかいろいろあるんですけど、自分が歌手としてステージに立つという道を選んだ元々の理由を忘れたらいけないと思っています。人が笑顔になる仕事をできればいいなっていう風に思っていて、そのツールの一つとして歌を選んだだけなので、私が歌っていく上で誰かが元気になったり、笑顔になったりする活動ができたらいいなって思います。

——  最後に、SFCの学生に向けて学生のうちにやっておくべきことや、メッセージなどをお願いします。

友人や先生との出会いは、一期一会って本当にその言葉通りだなと思うくらい大切で一生ものだなって大学時代特に思うことが多かったです。もちろん一人で頑張って卒業することもできると思いますけど、人との関わりを大事にして、自分にない考えとかをたくさん友達からもらって楽しみながら卒業するのが一番かな、と思います。
(卒業したら)キャンパスがすごい臭いがしても懐かしくなるものですよ(笑)。春は特にすごくて本当に新入生大歓迎って感じですよね。でも、ちゃんと大学に通って卒業するといい思い出になるので、頑張って通ってください。

—— ありがとうございました。

SFCで学習できることは本当に多岐にわたり、色々な分野で役に立つことがあると改めて実感できた。SFCを卒業されて、ソロで活躍中の鈴木愛理さんに今後も注目だ。

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