残暑厳しい9月も終わり、ようやく過ごしやすい季節になりました。夏は暑すぎてできなかったけど、秋になったからまた自転車通学を始めようかなという人も多いのではないでしょうか。
 私事ではありますが、自分も自転車通学です。自転車通学は、気分爽快になるだけではなく、交通状況に左右されないので、想定外の遅刻がなくなります。また、バス通学より安く抑えることができます。以上のような理由から、自転車通学をしている人も、実はたくさんいます。
 しかし、自転車通学をするのにあたって、ある問題を発見しました。それは、SFCの駐輪場が飽和しかけているという問題です。

駐輪するスペースがない… SFCの駐輪場の現状

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こちらは、正午のSFCの駐輪場です。こんなにも自転車が溢れかえっています。この時間になると、駐輪できるスペースが非常に少なくなってしまうのです。

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駐輪するスペースがないため、本来通路であるはずのスペースにも自転車がとまっています。一人通るのがやっとのくらいしか通路が確保されていません。

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スタンドがないところでは、しばしば自転車のドミノ倒しが起こっています。重なり合った自転車を起こすのは、大変です。また自転車の破損、最悪の場合はケガにも繋がります。

 本当にこんなたくさんの人が自転車通学をしているのでしょうか。そんなことはありません。

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こちらは、駐輪場の隅に捨てられている自転車です。他にも、たくさんの自転車が駐輪場に放置されています。

 また、残留空けの駐輪場に行ってみると、早朝にも関わらず、自転車が大量に駐輪されています。自転車に乗って、早朝から登校している人は極めて少数です。よって、これらの多くは、ほとんど乗られていない自転車、つまり放置自転車だと推測されます。SFCの駐輪場に自転車が溢れかえってしまっている原因は、たくさんの放置自転車だったのです。

駐輪場に自転車が放置されてしまう理由

それでは、どうしてこんなに放置自転車が駐輪場にあるのでしょうか。実際にあった事例をあげてみましょう。

 ひとつ目に、卒業と同時に不必要になった自転車を、駐輪場に放置してしまう人がいるからです。自転車を処分するには、時間と費用がかかります。また、実家や新居に持ってかえるのにも手間がかかります。それらの手間を面倒くさがり、そのまま大学に放置してしまうという事例があります。

 ふたつ目に、自転車から自動車に乗り換え、使わなくなった自転車を駐輪場に放置してしまう人がいるからです。大学生になると、自動車免許を取得する人が増えます。当然のことながら、自転車より自動車の方が楽です。よって、原付や二輪車、もしくは四輪車に乗り換えて、自転車は駐輪場に放置してしまうという事例も少なくありません。

 今はなんとか駐輪するスペースがありますが、これからも放置自転車は増え続けるでしょう。このままでは最悪、駐輪することができないという事態になりかねません。この事態を看過せず、なるべく早いうちに対策を打つ必要があります。そこで、私案ではありますが、対策案を考えてみました。

自転車を放置できないシステムを導入せよ!

放置自転車をこれ以上増やさないためには、自転車を放置できない環境をつくる必要があります。今のSFCの駐輪場は、申請なしで自由に駐輪することができます。よって、誰が駐輪場を使用しているのか、把握していません。つまり、自転車を放置してもバレないのです。放置自転車をなくすには、誰が駐輪場を利用し、どの自転車に乗っているのか把握することが重要です。

 そこで、駐輪場使用を登録制にするべきだと考えました。方法としては、まず駐輪場利用者は大学に、駐輪場の利用申請を行い、登録と引き換えに駐輪許可書をもらいます。そして、その駐輪許可書を貼った自転車のみに、駐輪場の使用を認めます。駐輪許可書には、それぞれ番号がふられています。つまり、駐輪場にとまっている自転車の持ち主を把握することができます。また、駐輪許可書は半期ごとに更新が義務づけられており、期限が過ぎたまま駐輪されている自転車の持ち主には、罰金が課されるようにします。

 このようなシステムを導入すれば、自転車を放置する人は大幅に減少するのではないでしょうか。

まずは、自転車の仕分けから

このシステムを導入するにあたって、第一に普段から使用されている自転車と、今まで蓄積され続けた放置自転車を選別する必要があります。

 選別にあたって、まず駐輪場の入口や掲示板、もしくはSFC生全員にメールで、システムの導入を公表し、また駐輪場の利用申請を促します。そして、一定の期間内に、駐輪場利用の申請、登録を行わせます。一定期間が過ぎ、自転車に駐輪許可書が貼られていないにも関わらず、駐輪場にとめられているのならば、その自転車は放置自転車とみなすことができます。そうすれば、放置自転車をうまく選別することが可能です。

 上記の案を実行して、放置自転車を選別し、駐輪場の飽和を食い止める。そして、駐輪場利用にルールを作ることで、放置自転車の増加を防ぐ。これで一件落着と思いきや、もうひとつ問題があります。それは、選別した放置自転車の処理です。

応用しよう! MOTTAINAI精神

自転車を処分するには、お金がかかります。処分する自転車が大量にあるとしたら、その額は何十万円にものぼることが予想されます。大学側も放置自転車の処分に大金を注ぎ込みたくないでしょう。それでは、放置自転車の処分はどうすればよいのでしょうか。私は以下のような具体案を考えました。

 それは、放置自転車のリユースです。つまり、まだ走れる自転車は処分せず、再利用しようという案です。例えば、リユース自転車の販売です。自転車といえども、新車で買えばそれなりの費用がかかります。そこで、新生活を始める新入生や、自転車通学を新たに始めようとする学生に、このリユース自転車を格安で販売します。また、卒業とともに乗らなくなった自転車の無料回収も行い、これもリユース自転車として販売します。こうすれば、リユースに流れができます。

 そしてその売上金、また徴収した罰金で再利用できない放置自転車を処分すれば、無駄なく損することなく駐輪場の問題を解決することができます。

 また、この恩恵は自転車通学車だけでなく、バス通学者にもあります。格安で自転車を手に入れられることによって、自転車通学が今までより増えます。それによって、バス通学者が減少。バス停にできる長蛇の列も少しは緩和されることが予想できます。

意外と身近な放置自転車問題 みんなで考えよう

 この問題に頭を悩ませているは、実はSFCだけではありません。たとえば、キャンパスがとても広い国立大学が挙げられます。広い大学では、しばしば構内で自転車に乗ることが許可されています。自転車が多く利用されているが故に、放置自転車も多く散在しているのだそうです。

 大学によって、解決案は十人十色です。大学生協や企業と提携して、リユース自転車のレンタルを行ったり、また被災地に寄付したり、さまざまな方法で解決に努めているようです。

 これまでSFCの駐輪場の現状や問題、そして解決に向けての私案を記しました。バス通学の人は、この駐輪場の状況を知らない人も多かったのではないでしょうか。この記事を読んで、たくさんの人に放置自転車問題を知ってもらえたらいいなと思います。

 SFCの駐輪場が飽和状態になってしまうのは、時間の問題です。みんなでこの喫緊の問題について考え、対策案を練り、そして解決へ流れを向けられたらと思います。

 いつ解決するの?今でしょ!!