CLIP記者のあたまんなか

留年のはなし

西田将之

CLIP歴:
4年
Twitter:
@nisidam

 1年も終わりに近づき、寒い日が続きます。布団から出られず、なにか無気力に襲われ、授業に行けない日も増えたのでは。そして見える留年の兆し。2年生以上にはあるこの「留年する」という感覚も、1年生のみなさんにはまだわからないと思います。そこで今回は「留年のはなし」。留年するとはどういうことなのか。留年してからはどんな生活なのか。実際に、1年生で留年した方にお話を伺いました。

雨の日は......

留年のはなし

 2月の終わり頃、大学からあなたは何単位とれましたよーっていう手紙がきますよね。その封筒のなかに「原級について」という手紙が同封されていました。それを見て、あぁ留年したんだなと思いました。
 1年の春学期は18単位でしたが、秋学期は8単位しかとれず、計26単位で留年しました。原因はネトゲで、夏休みにとても期待していた「タワーオブアイオン」というゲームがはじまりました。一時期はサーバで一番になるほどやりこんで、それが生活の一部になりました。
 原級についての手紙が来た日も、ネトゲをしていました。休日だったので。それでリビングの机にその手紙をなんとなく置いておいて、自然に親に見つかるようにしました。親が見つけたら、言い訳をしました。言い訳はテンプレ通りのもので、「前学期普通に単位が取れてたから油断していた。まだ1年生だから慣れてない。来年から本気出す」など思いつく限りたくさん。もともと8単位分しか授業に出ていなかったので留年は覚悟していましたが、手紙がきたときはテンションだだ下がり。でもまぁ2,3日で復帰して元気にネトゲしてましたよ。

留年してからのはなし

 学校からの連絡はその手紙だけでした。独立自尊の精神なのか、てめぇで勝手にしろということなのか。いちおうその手紙には、このままじゃ退学だよ、といったことは書かれていましたが、留年する前後で環境はとくに変わりませんでした。1年生も4年生も変わらないこのキャンパスでは、留年しても目立たないし、ばれないから居心地はいいです。
 最近は普通に単位を取っています。1年生の秋学期以降、毎学期15単位前後。それはなんか単位をとってないというより、ネトゲをしてないってのがでかい。普通の学生してるって感じですね。やってたネトゲはやめられました。留年した結果、家にずっといると怪しまれるので外に行かねばならなくなって。ネトゲには高スペックなPCが必要なので、ノートPCじゃ無理。そしたらやめざるを得なかった。ネトゲはずっとやってるとやめれないけど、1週間やってないだけでもういいやってなって。なのですぐやめられました。パチンコとかもそうですが、時間のかかる趣味はやめたほうがいいですね。

留年するということ

 留年していいことは、ほとんどなかったです。自虐のネタになるくらい。しないほうがいい。長く学校で遊べるっていう前向きな考え方も出来ますが。あとは来年こそは景気が良くなるから就活にいいよ、っていう社交辞令。価値観とかが変わったりとかは、とくになかったです。そもそも留年して必死に授業を受けるようになるやつは、最初から留年しないですよね。
 ただ逆にデメリットもそんなに感じなくて、親への申し訳なさと金銭面くらい。裕福な家庭ならいくら留年しても問題なさそう。SFCのゆるさは、留年しても変わりません。
 興味のある授業とか、積極的に授業を受けたいっていう感覚はないですね。むしろ最小の努力で単位をもぎとっていきたいみたいな。よくSFC生のTwitterとかで見かける「え? 俺あれ課題1回もだしてないのに単位きたよwww」みたいな、単位をとるゲームをやってる感覚はあります。単位自体簡単に取れちゃうのに留年するってことは、ギリギリCのところを狙って攻めすぎて全部アウトになっちゃうとか、結局自分がだらしなさすぎるんですね。
 もし留年しそうな人をみたら、すごく親しいっていうわけでもなければ、多分歓迎すると思います。それは自分だけが留年してないっていう安心感と、傷の舐め合い仲間を探してるんだと思います。個人的には、努力できるならしたほうがいいけど、留年しても大きな問題はないです。気が楽になります。ギリギリのラインを生きるよりいっそ半年留年しちゃってゆっくり単位取得したほうが過ごしやすいのかなーと。ただ留年は、しない方がいいです。