デジタル刺繍ミシンで「Fabってあそぼ!」ロゴをつくってみた
メディアセンター1階のFabスペースに並ぶ3DプリンタなどのFab機器に実際に触れ、ものづくりの楽しさを発信する「Fabってあそぼ!」。今回は、デジタル刺繍ミシンを使用して、当コラムのロゴを出力してみた。
Fabスペースにはデジタル刺繍ミシンが2台設置されている。
まずは「Fabってあそぼ!」のロゴをつくってみた
デジタル刺繍ミシンで出力するには、Adobe Illustratorでデータを作成する必要がある。そこで、当コラムのタイトルである「Fabってあそぼ!」のロゴを作ってみることにした。
まず、このタイトルの由来となった某教育番組のロゴデータを参考に、アウトラインをなぞってアウトラインデータを作るところから、パロディロゴの作成が始まる。
ロゴの上に、ペンツールで適当な距離にアンカーポイント(支点)を置く。次のアンカーポイントを置きたい場所をクリックすると、自動的にパスと呼ばれる直線がアンカーポイント同士を繋げてくれるので、どんどんアンカーポイントを置いていこう。曲線や角は、アンカーポイントの切り換えツールでスムーズポイント(曲線)やコーナーポイント(角)で調整することで生成できる。これらを組み合わせて参考ロゴに近い形状になるようなぞっていく。
参考ロゴ(上)から、アウトラインデータ(下)を作成する。
なぞり終わったので、「つく」の部分を「Fab」に変えて、赤色で塗ってみた。
試行錯誤しながら「Fab」の文字を作り、赤色に塗る。
なかなか良い感じではないだろうか。このデータを書き出し、さっそく刺繍してみよう。
準備は意外とカンタン
まずはAVカウンターへ
出力したいデータが完成したら、AVカウンターへ行ってデジタル刺繍ミシンの使用申請をする。ここでは、マニュアルのほかに、データを入力するための専用メモリーカード、布をマシンに固定する器具(押さえ)を4種類、裁ちバサミなどの裁縫用具、そして色とりどりの刺繍糸を貸してもらえる。刺繍する布ももらうことができるが、自分でこだわりの布を用意することも、もちろん可能だ。
カラフルな刺繍糸にウキウキ気分♪
出力データを専用メモリーカードにコピーしよう
器具を借りたら、FabスペースのカウンターにあるWindowsノートパソコンに、USBメモリなどを用いて刺繍したいデータを取り込む。
取り込みが終了したら、デスクトップにある「刺しゅうPRO NEXT」を起動しよう。「画像」→「オートパンチ」→「ファイルを選択」の順にクリックしていき、ファイルは先ほど取り込んだデータを選択。下糸や上糸を選ぶ画面に移るが、色は後からいくらでも変更可能なのでここで決めなくても大丈夫だ。サイズは、自分がイメージしているサイズと布の大きさを参考にして調整しよう。決まったら「次へ」を押す。
そして「ホーム」から「データ出力」を押し、AVカウンターで借りてきた専用メモリーカードをWindowsノートパソコンに付属している専用カードリーダーに差し込み、出力データをこのメモリーカードにコピーする。
コピーが完了したら、次はいよいよデジタル刺繍ミシンを操作してみよう!
デジタル刺繍ミシンへのデータ入力は専用メモリーカードで行う。
いよいよデジタル刺繍ミシンの出番だ!
まずは、何色の糸で刺繍するかを決める。今回はAVカウンターでもらった紺色の布に赤が映えるイメージで、赤い糸を選んだ。
上糸をミシンの上部から、本体に書いてある番号に沿って針の穴へ通す。過去の裁縫の授業を思い出すような細かい作業だが、ここで挫けないように。同じ要領で、下糸もセットする。
次に、刺繍する布をミシンにセットする。AVカウンターで借りてきた4種類の押さえのうち、形状に合わせてどれを使用するかを決め、布を挟み込むようにして固定する。このとき、布をぴんと引っ張って固定するときれいに仕上がる。
このように押さえをミシンへはめ込み、レバーで固定する。本体に方法が記載してあるのでご安心を。
そして、専用メモリーカードをミシンへ差し込み、タッチパネルを操作して最後に「縫製」を押せば完了! あとは仕上がりを待つのみだ。
正確性と速さには目を見張るものが! 可能性は無限大
たった5分程度で完成! 堂々の出来だ。
あっという間に紺色の布に「Fabってあそぼ!」の文字が赤色に浮かび上がってきた。その時間、わずか5分程度。非常に正確な刺繍はもちろん、その速さにも驚いた。
その美しい刺繍を眺めながら、自分で縫い付けたわけではないが、どこか誇らしげな気持ちに浸る部員であった。
初めてのデジタル刺繍ミシン体験を無事に終えることができた。今回は布を使用したが、シャツや鞄などあらゆる布に刺繍することができるので、生み出される作品の可能性は無限大と言える。一般公開されている既存データを使うのもよいが、今回のように少しアレンジしてデータを自分でつくってみるのも楽しい。デジタル刺繍ミシン自体は、操作の複雑さを特に感じなかった。ストレスフリーでクリエイティブなデジタル刺繍ミシンを、ぜひ試してみてはいかがだろうか。
「Fabってあそぼ!」では、弊部の部員がFabスペースにあるマシンを実際に利用したり、Fabに関係のある人物に話を聞いたりすることで、独自の視点でFabに迫っていく。
次回もお楽しみに!