SFC CLIP編集部員が、SFC周辺のおいしいラーメン屋さんを巡ってレポートする連載「ラーメンCLIP」。2014年から始まったこの連載も、ついに15回目となる。今回は、昨年末に惜しまれつつ閉店した「家系ラーメン まつり家」のあった場所に、今年1月7日(木)にオープンしたラーメン店「藤澤家」をレポートする。

看板は掛け替えられ新しくなっている。 看板は掛け替えられ新しくなっている。

藤澤家は遠藤の外れにあるため、湘南台駅からは湘南台17系統(文教大学行き)のバスに乗り、小出一本松バス停で下車し徒歩。キャンパスからは自転車もしくは車の利用が便利だ。営業時間は11:00-23:00。店内はカウンター席のみで、食券制だが麺の硬さなど好みをオーダーできる。

「まつり家」の外観そのまま

まつり家に行ったことのある方なら、藤澤家の店構えに驚くだろう。3つの入口がある独特の店構えも、建て付けのよくないドアも、暖簾をくぐった先の店内も、以前のまつり家そのままだ。テーブルや椅子が同じなのはもちろん、箸やどんぶり、コップに至るまで、まつり家のものを使っている。とてもオープンしたばかりとは思えない内観で、居抜きというよりもリニューアルといった雰囲気だ。

内装も「まつり家」そのままだ。 内装も「まつり家」そのままだ。

店舗をそのまま引き継いだワケ

以前ここにあった「家系ラーメン まつり家」は、昨年11月29日(日)に店主の療養のため12年間の歴史に幕を下ろした。最近よく目にする「家系ラーメン」の源流である「家系総本山 吉村家」で修行した女性店主の営む、数少ない「家系直系」と呼ばれるラーメン店だった。その店を引き継いだのが、藤澤家店主の横田さんだ。横田さんは9年前にまつり家で修行し、その後独立。都内で自身の店を構えていたところ、まつり家店主夫婦から体調面による引退を相談され、「お前にここを譲る」と話されたという。つまり藤澤家は、かつてまつり家で修行した店主が、師匠から受け継いだ店なのだ。

味には劇的な変化が!

今回は、王道の「ラーメン 並」(税込670円)を食してみる。藤澤家では学生割引で50円引きになるため、今回はラーメン並を620円で食べることができた。

「ラーメン 並」は670円とリーズナブル 「ラーメン 並」は670円とリーズナブル
券売機は新しくなり、わかりやすくなった。 券売機は新しくなり、わかりやすくなった。

店内は混み合っていたが、食券を渡すとすぐにラーメンが目の前に。家系直系風の熱く温められたどんぶりに、熱々のスープを多めに注いでいる。特筆すべきはスープだ。まつり家のような家系直系特有の醤油の味が引き立ったスープとは違い、乳化したようなまろやかな味わいが特徴だ。鶏油も弱めで、万人に食べやすい味になっている。

まろやかで旨味たっぷりのスープが麺によく絡む。 まろやかで旨味たっぷりのスープが麺によく絡む。

麺は中太ストレートの角形麺。まつり家のころとは製麺所を変えているようだが、芯がありゴツゴツとしていて歯ごたえの良い、家系特有の麺は健在だ。普通の硬さで頼むとやや柔らかい印象があるので、固めで注文した方が良いかもしれない。並で頼んだ場合の麺量は190gと男性には少し物足りないため、食べ盛りの学生ならラーメンを大(285g)にして注文するか、ライスもしくはチャーシュー丼を追加すると丁度満腹になるはずだ。

家系ラーメンの正統派トッピング 家系ラーメンの正統派トッピング
ライスは小、中、大、全サイズ税込み50円! ライスは小、中、大、全サイズ税込み50円!

トッピングは、何も追加しない状態で、太い輪切りネギと海苔、ほうれん草と薄切りのチャーシューが1枚つく。ほうれん草はさっと煮ているのか、きちんと芯の硬さが残り風味がいい。チャーシューは引き締まった煮豚のスライス。薄切りだが、ロース系のため噛みごたえがあり満足度は高い。

キャンパスからちょっと遠いが、行く価値のある店だ。 キャンパスからちょっと遠いが、行く価値のある店だ。

今後も注目の店舗

キャンパスから自転車で行ける距離に、家系の名店が再びオープンしたのは、SFCの学生にとってはとても喜ばしい。まだオープンして間もないため、今後どのように味が変化していくのかにも注目だ。

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【2月12日(金) 19:30 編集部追記】
本文中において、藤澤家店主を「片倉さん」としていましたが、正しくは「横田さん」でした。お詫びして訂正いたします。