6月1日(土)-2日(日)、いよいよ六大学野球春の慶早戦が行われる。義塾野球部の選手は、慶早戦に向けて今、どのような思いを抱いているのか。また、普段どのような大学生活を送っているのか。彼らに直撃インタビューを行った。


 残念ながら、義塾も早稲田大学(以下、早稲田)も優勝の可能性がなくなってしまった。伝統の一戦まで、残りわずか。彼らは今、何を思い、何を目指しているのか。

 SFC CLIP編集部は、義塾野球部で活躍している選手にインタビューを試みた。副将の手銭大選手(環4)、SFC生である藤本知輝選手(環3)、横尾俊建選手(総2)、小笠原知弘選手(環2)、そして主将の堀野真選手(理4)の5人である。


— ここまで4試合戦ってきた中で、反省点、またそこから見つけたチームカラーはありますか?





藤本: 先日の明治大学戦の時に、ようやくやりたいバッティングができました。しかし、スタートが遅すぎたのが反省です。



横尾: 調子自体が悪かった。もっと先輩を勝たせてあげたかったです。



堀野: 本来であれば、白村明弘(商4)が抑えて、打つべき人が打って、そして守る人が守る。それぞれがしっかり役割を果たす戦い方をするはずだったが、なかなか実現できなかった。これをやって勝ったといえるものがないので、まだチームカラーや強みは明確になっていないと思います。



手銭: 堀野選手と同じで、まだチームカラーは出せていないと思います。しかし、試合をこなし、経験を積んでいくうちに、だんだん下級生も地に足をつけ始めたと思います。




— 早稲田に警戒する選手や、一目置いている選手はいますか?





藤本: 中村奨吾選手や、小野田俊介選手です。



横尾: 中村奨吾選手です。いい選手なので、参考にしています。



小笠原: 道端俊輔選手です。同じ智弁和歌山高校出身で同期、また身近にいた一番いい捕手でした。彼を超えるとかではなく、一緒の慶早戦という舞台に立って、お互いがんばりたいと思います。


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— かつて高校時代に同じチームだった仲間と、大学に入ってからは互いに敵となって対戦すること。また逆に、甲子園で戦った相手が同じ大学で仲間となることについて、どう思いましたか?





横尾: 小笠原選手とは甲子園で対戦しました。彼はいい選手だったし、また慶應にくることは聞いていたので、楽しみにしていました。逆に、法政大学の畦上翔選手や、早稲田の吉永健太郎選手は、かつて同じチームだったからこそ、負けたくないですね。



小笠原: 高校の時、横尾選手が慶應を受験することは聞いていました。もし慶應に来たら、同じチームで戦うことができるんだな、と考えていました。横尾選手は、甲子園優勝を果たしているので、いろいろと聞けることが多いですね。

 また、かつて高校で同じチームだった早稲田大学の道端俊輔選手ですが、なかなか結果を残すことができず、苦労していると思います。だからこそ、この慶早戦で活躍をして、秋からお互い正捕手として出場できるようになりたいと思います。


— 大学はそれぞれ違いますが、プライベートで会ったりしたりしているのですか?





横尾: よく食事に行きますね。野球の話はあまりしていません。



小笠原: よく一緒に遊びに行きます。野球の話ばっかりですが(笑)




— 小笠原選手は、高校時代に遊撃手として活躍していましたが、大学からは捕手にコンバートされました。これまでの苦労を教えてください。





小笠原: 捕手はやったことがなかったので、何もわからないゼロからのスタートでした。それでも監督が経験を積ませてくれたので、やっとここまでくることができたと思います。もちろん、最初は思うように行かなくて、たくさん練習したし、苦労もしました。


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— 堀野選手は理工学部に所属しているということで、授業や研究が忙しいと思います。文武両道をするために心がけていることはありますか?





堀野: 学部の友達を大切にすることです。あまり友達を作ることは得意ではないのですが、友達を作って、お互い助け合っています。そうしないと、厳しいですね。




— 手銭選手、藤本選手、横尾選手、小笠原選手はSFCに所属していますが、授業を受けてから練習に向かうのは、大変だと思います。その他、不都合な点もあると思いますが、それでもSFCに入ってよかったと思うことはありますか?





手銭: テスト期間が有意義に使えることです。練習をしたり、帰省したりできるので、オフ明けの練習にすんなり入ることができます。



横尾: テストが他学部に比べて少ないので、助かります。



藤本: SFCは体育会の人がたくさんいるので、よく声をかけられますね。「応援してます」とか。とても嬉しいです。



小笠原: 藤本選手も言っていたように、SFCには体育会の人が多いので、体育会同士が近い関係になることができます。僕らも違う体育会の応援をしに行きますし、逆に応援しに来てくれるみたいな関係をつくることができました。SFCにはその関係があるところがとてもいいと思います。




— 好きな授業や、いま研究しているテーマはありますか?





手銭: あまり覚えてないです(笑) そこまで大変じゃない授業がいいですね。だから、学期初めは、履修ミーティングみたいなことをやっています。



藤本: 加藤貴昭研究会で野球に関する研究をしています。今後、自分の野球に生かすことができる研究をしています。




— 休日はどのように過ごしていますか?





堀野: 授業がある日は学校に行きます。でも、一日空いてしまうと怖いので、必ず運動はしています。何もないときは、基本的にその日の気分で過ごしています。最近だと、センター北にある温泉施設に行きました。



手銭: この前の休日は、学校がなかったので、午前中ひたすら睡眠をとって、体力を回復させていました。学校がある日は、授業で一日中SFCにいたりします。日吉に行ってしまう人もいれば、三田に行ってしまう人もいるので、オフの使い方は人それぞれですね。



横尾: 休日はのんびりしています。寝て過ごしたり、どこかへ遊びに行ったり、決まった過ごし方は特にないです。気分で過ごしています。



藤本: 休日でも、野球のことを考えてしまうので、必ずバットは握るようにしています。それからゆっくりしたり、でかけたりします。




— 最後に、慶早戦への意気込みを教えてください。





堀野: 早稲田も慶應もお互い不本意な結果となった今シーズンですが、それでも応援に来てくれるお客さんがいることは、幸せなことだと思います。お客さんの期待に恥じない試合をして、秋季につなげられるようにしたいと思います。


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手銭: 優勝はもうありませんが、この慶早戦を勝利し、そして秋に向けて弾みをつけたい。そして、チームの強みというものが明確にしたいと思います。


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藤本: 勝ち点は、まだ1点しかあげられていませんが、春季の慶早戦で勝利し、秋季の慶早戦の時に、慶應が早稲田から恐れられるようになりたいと思います。


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横尾: クリーンナップを打っているので、もっとチームに貢献したいと思います。慶早戦とか関係なく、自分のバッティングができるように頑張ります。


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小笠原: グラウンドに小笠原知弘がいる、という存在感が出せるように頑張ります。


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— ありがとうございました!







 体育会に所属していても、私たちと同じように大学に通っている塾生であり、仲間である。義塾野球部が早稲田に勝利できるように、ぜひ神宮球場に足を運んで応援しよう。

 なお、今年もSFC CLIPのTwitterアカウントで、慶早戦の試合経過を見ることができる。慶早戦を見に行くことができない人も、ぜひチェックして欲しい。