7日(火)、湘南藤沢メディアセンターのグループ学習室A(2階)・B(3階)がリニューアルオープンした。これまでのグループ学習室から一新、小部屋に仕切り、壁にホワイトボードを埋め込んでいる。さらに、イス・机をキャスター付きに変更することで多様な使い方が可能になった。

 これまで、9月9日から19日にかけてイスと机を入れ替える作業、10月2日から3日にかけて仕切り壁とホワイトボードを設置する工事が行われた。

新しいグループ学習室、通称「グルワ室」の魅力とは何か。同事務長の長島敏樹さんに話を聞いた。
 

大幅な内装変更 小部屋に壁いっぱいのホワイトボード

グループ学習室A(2階)。2つの小部屋とオープンスペース(手前)に仕切られた。

従来の大きな部屋に仕切り壁を立て、オープンスペースを含め、グループ学習室A(2階)を3部屋、B(3階)を4部屋にそれぞれ仕切った。ひと部屋に6-10人の収容を想定している。天井部分は他の空間とつながっているため完全な個室にはなっていないが、より集中した議論や作業環境が期待できる。

小部屋の様子。4つの机を自在に組み合わせることができる。

イスと机がすべてキャスター付きのものに変わった。一部の小部屋には、同じ長方形の机を4つ設置し、イスと合わせて組み合わせが自由に変えられるようになっている。長島さんは「向かい合わせて対談もできるし、一方を向いて誰かが発表するのを聞くなど、様々な使い方ができる」とその多様性を強調する。
 壁一面のホワイトボードも大きな特徴だ。壁と一体となっているため、最初は"カベ"に書き込むのに戸惑うかもしれないが、天井から床まで好きなだけアイデアを記録して共有することができる。加えて仕切り壁にも縦長のホワイトボードが設置され、あちこちに書き込めるようになったのも大きな魅力である。
 

集中でき、利用者が刺激し合うスペースにするために

従来のグループ学習室は狭く、他のグループの人たちとの距離が近かった。そのため、一生懸命議論しているときに別の人がイスの背中にぶつかってしまうこともあり、長島さんはそのことがずっと気になっていたという。また、教職員やSFC生から、大きな部屋に大きな机があるのではなく、細かく分けてほしいという要望が相次いでいた。そこで、収容人数は減るものの、周囲を気にせず落ち着いて議論できる場所に作り変えるために、今回のリニューアルが決まった。
 もう一つの理由として、「ラーニングコモンズ(Learning commons)」の整備がある。ラーニングコモンズとは、学生が大学内で集まって学習するとき、紙の図書や電子資料をはじめ、パソコンなどの電子機器が利用可能で、さらに困ったときの相談もできるという機能をもった場所を提供することを指す。各大学で整備が進められており、SFCではその機能のひとつとしてグループ学習室を設置している。
 文部科学省の学術情報委員会が昨年8月に出している報告書「学修環境充実のための学術情報基盤の整備について(審議まとめ)」の中に、ラーニングコモンズに関する記載が見られる。グループ学習室は、いずれの空間においても開放性、透明性を高くすることが重要だという。それは、「見る」「見られる」という空間の中で、熱心に学習している姿が周囲の学生の学習意欲を刺激するからだ。長島さんは「小部屋に区切るということと同時に、ただ区切って密閉するのではなく、ガラスを通してお互いを見られるようにした」と、仕切り壁にガラスを使用した狙いを説明した。
 

ルールを守って気持よく利用しよう

いま一度、グループ学習室の利用上の注意を確認しよう。以下に特に留意すべきルールを挙げる。
・学習目的の利用に限る
・秋祭等の学園祭準備での利用禁止
・食事禁止
・飲み物は、ペットボトル等の密閉できる容器のものに限って持ち込み可能

グループ学習室B(3階)の様子。こちらは黄緑色の仕切り壁だ。

長島さんは「SFCはグループワークがとても盛んなので、そのためにぜひ使ってほしい」と笑顔で話す。新しくなった"グルワ室"を積極的に利用し、仲間たちと創造的な学びを深めてみてはいかがだろうか。