1日(火)、SFCアドミッションズ・オフィスは総合政策学部・環境情報学部のAO入試における2016年度以降の「SAT Reasoning Test」の扱いについて発表した。これはSATの改訂に伴うもので、2016年9月以降の入学を希望する受験者にたいしても「SAT Essay」の提出を求めるという。

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SATの改編に伴う発表 「SAT Essay」の提出を求める

SAT(大学進学適性試験、Scholastic Assessment Test)とはアメリカの非営利法人カレッジボードが主催するアメリカの大学入学のための共通試験であり、日本国内の高等教育機関でも米国の教育制度に従って中等教育を受けた受験者の評価に主に用いられる。このSATは2016年3月から大きく改訂され、それに伴い今回の変更が生じた。

改定前の「SAT Reasoning Test」はEssayの提出が義務であったが、改訂後はオプションとなる。しかし、SFCのAO受験者には引き続きEssayの提出が求められる。

各国の統一試験の受験をほぼ義務とするSFC

SFCのAO入試は多様な受験者を受け入れ、実際に多様な教育的バッググラウンドを持つ合格者を出している。その一方で受験者の学力を客観的に把握する必要があるため、外国の教育制度の出願者にできるだけその国が行う統一試験の受験を求めている。そのスコアを提出できない場合は理由書を書かなければならず、他大学や他学部に比べると成績証明書の提出はほぼ義務として受験者に求めていると考えられる。(看護医療学部のAO入試は統一試験を受験している場合のみ提出を求めている。)
 
SFCのAO入試の募集要項によれば11の国と地域(日本を含まない)について統一試験の成績証明書提出方法を他学部や他大学以上に細かく示している。提出書類が日本語や英語以外の場合は、 和訳または英訳し、翻訳された内容が原本と相違ないことを出身高等学校、 大使館等で証明を受けることまでしなければならないとされる。

一部の大学はすでに新旧どちらのSATも受け付けることを受験者に通知している。経済学部に2016年9月から開設され、授業が英語で行われる予定のPEARLプログラムでもその旨が発表されている。今回のように受験科目についてまで明言している大学は3月1日時点ではまだ少なく、SATの指定科目の変更が一定数の受験者に影響するとは言え、SFCの今回の対応はかなり進んだ対応と言えるだろう。

英語での入試方法の変更通知なし

なお、英語版のウェブサイトには発表されておらず、日本語が理解できない受験者が今回の発表を知るのは難しい。幅広い背景を持つ学生を受け入れるAO入試だが、より様々な国や地域から受験者を受け入れるほど、そのシステムは複雑となる。より分かりやすいガイダンスが今後の入試ではますます欠かせなくなるだろう。

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