「みなとメディアミュージアム」は、茨城県のひたちなか海浜鉄道を舞台としたアートイベント。地域活性化を目的とし、8月8日-31日の間、映像作品やメディアアート作品の展示およびワークショップなどが開催された。今回はイベントを主催した、有澤誠研究室の田島悠史さん(政策・メディア研究科助教[有期・研究奨励II])にお話を伺った。

田島悠史さん

地方でのメディアアートのイベントは珍しい試みだと思いますが、盛り上がりはいかがでしたか?

概ね好評だったと思います。限定フリー切符の売り上げが好調で、会期中盤で既に1,000枚販売しました。初日のほか、特に週末は来場者が増えましたね。

どのような方がイベントにお越しになったのでしょうか?

ひたちなか海浜鉄道の利用者の方だけでなく、多くの地元の方々にお越しいただきました。東京方面からの来場者も大勢いらっしゃいましたが、茨城在住の方がより多かったです。おらが湊鐵道応援団(ひたちなか海浜鉄道の利用促進を図る団体)の方々など、地元の皆さまにとても協力していただいたおかげだと思います。

メディアアートの一部

また、ブログを見てきました、というリアクションも結構ありましたね。特に「ひたちなか海浜鉄道湊線フォント」をつくって駅名標をリデザインする作品は好評で、多くのブログに掲載されたようです。改めてブログの広がりを感じました。

駅名標のリデザイン

来場者の方々の反応はいかがでしたか?

メディアアートは何らかの動きを伴う作品が多く、関心を惹きやすいと思います。実際イベント中は子供が作品で遊んでいたり、また関心が薄いと思われたお年寄りの方々にも意外と興味を持っていただきました。電車が来るまでの暇つぶしにもなったようです(笑)

参加したアーティストの方々の感想はいかがでしたか?

15組のアーティストの方々に参加いただきましたが、新しい作品の展示場所として面白い、来場者の反応を見られてよかった、といった感想をいただきました。

今回の課題と今後の展望について教えてください

期間中は展示作品を囲みお年寄りの方々が集うなど、メディアアートが小さなコミュニティの形成につながる場面が多く見受けられました。ケーブルテレビや数社の新聞社から取材をいただき、地元の方々にも好評でしたので、今後もこうしたイベントを開催していきたいと思います。

ワークショップの様子

ただしイベント開催までの準備期間中はとても苦労しました。特にアーティストの参加数が固まっていない時期は、一部のスタッフに負担が集中してしまいました。またワークショップへの参加者数が若干少なかったので、イベントの告知をより早めに行う必要があったと感じました。
 今後は地元在住の学生などを中心に広くスタッフを募るなどし、運営体制の整備を図りたいと思います。