昨年12月に行われた塾生代表選挙の不適切な運営。3人の候補者の1人だった荒井暢史さん(総3)が、当選挙を通して考えたことについて語ります。

第2回は、先月に公表されたわずか400字足らずの監査報告書と、選挙管理委員会が取った荒井さんへの対応を踏まえ、全塾協議会の現状について考えます。

昨年12月12日(月)-16日(金)に行われた塾生代表選挙に立候補しておりました、総合政策学部3年の荒井暢史と申します。

第1回では、塾生代表選挙における不正の問題について、騒動の経緯とその詳細を投票期間の前後の事柄を中心に書かせていただきました。

第2回では、投票後に行われた内部監査の実態をふまえ、選挙管理委員会や全塾協議会の現状、特に慶應義塾大学の塾生自治を謳う団体としての問題について書かせていただきます。

文面1枚 わずか400字余りの監査報告書

第1回の「外部からの監査が必要」の箇所で、「監査による選挙管理委員会の状況についての精査や、選挙の公平性と透明性について検証が必要」「再選挙を考慮しなければならないことを認識しながらも、当初の予定通りに開票を行った」「選挙規約に明記されている投票箱の管理に関する報告は一切行わなかったのに対して、不適切な開票に際しては開票の速報が行われるという有様」と1月末の段階における運営の問題と監査の必要性を指摘させて頂きました。

その監査が昨年12月23日(金)-今年1月11日(日)にかけて、立候補者・選挙管理委員会・全塾協議会及びその関係者を対象に行われました。私にも12月24日(土)付のメールで監査の旨が通知され、「要望を提出するように」と指示を受けました。監査に「要望」というものが存在するのかと疑問に思いましたが、選挙期間中から運営の問題追及を開始していた私は監査の対象となるべき事柄や問題点を15点挙げ、さらに選挙期間中に選挙管理委員会との間でやり取りしたメールの文面を資料として提出しました(この15点の要望は私のFacebookページにて公開しています)。

しかし、1月17日(土)の全塾協議会定例会に提出された監査報告書はわずか紙面1枚、たった424字のものでした。「複数の不正行為が発生した」としながらも、それらの詳細どころか内容も示さず、出された結論は「実施は適切に行われており、公正妥当である」という論理的に破綻したものでした。

また、監査の形式が選挙による任命を受けた委員が行う内部監査であった点や、不正発覚のきっかけとなった薬学部生への事実確認を行わなかったことなど、その実施内容は規模と質の面において全く不十分なものです。

全塾協議会の問題に対する認識の甘さ

1月17日(火)の定例会の議事録は公開されていませんが、おそらく協議会はこの監査報告書の提出を受け、まともに審議することもなく選挙結果に承認を与えたのでしょう。第1回の拙稿において、選挙が公平性と透明性をもって実施されなければならない理由は「全塾協議会が慶應義塾大学における塾生自治を冠した団体として、全塾生から自治会費の徴収や交付金の分配等を行うための正当性が、全塾協議会への信任投票としての意味合いを持つ今回の塾生代表選挙によって発生するため」だと指摘しました。そうした事実に対する認識が、現状の全塾協議会の運営には欠けていると言わざるをえません。

「外部に情報を漏らすことばかりしている」

選挙管理委員会や全塾協議会には、塾生自治の場を担っている団体としての倫理が欠けている。それを如実に表すやり取りがありました。

当選挙における問題の追求を、きっかけとなったTweetがされた12月14日(水)から行い、実際にそのTweetをされた方に事実確認を行ったことは第1回でもご報告しました。そして、確認した事実をもとに、選挙管理委員会への問合せと実施された対応への提言をたびたび行いました。

しかし、そのやり取りにおいて選挙管理委員会は、私がそうした問合せの内容や確認した事実をSNSアカウントを用いて公表することを「外部に情報を漏らすことばかりしている」「選挙の不成立にばかり力を入れている」ものであると発言してきました。このことは選挙管理委員会が、その本文である選挙を公平性と透明性を備えたものであるように管理し、それに沿った運営を行うことから逸脱した行為を取っていることをはっきりと明言したと言えます。選挙管理委員会の私への指摘には正当性も根拠もまったくなく、誹謗中傷と何ら変わらないものです。

選挙管理委員会は「選挙管理委員会は、公正な選挙を実現するため、選挙の実施や運営について情報を公開しなければならない」と選挙規則と第9条に明記しています。また、選挙細則第10条においても認められた広報用のSNSで、自身の公約(「全塾協議会や全塾協議会による選挙がこれまで以上に塾生からの意見の集約といった塾生自治の場としての役割を果たすことのできるものとする」)に従って必要な情報の公開を行うことに対して、委員会は誹謗中傷と変わらない言動を加えました。このことは、特定の候補への選挙妨害以前に選挙委員会が必要な倫理観を持ち合わせていないことを露見させるものでした。

そもそも、全塾生を対象とし選挙権が付与される選挙において、いったいどこが"外部"にあたるのでしょうか。もし仮に"外部"というのが有権者である学生を指すなら、全塾生のための塾生自治の場を謳う全塾協議会ならびに選挙管理委員会がそうした認識を持っていることは深刻な問題です。

自浄作用を発揮出来ない全塾協議会の現状

選挙における有権者ならびに自治の参加者である塾生に対して"外部"といった認識を持っている選挙管理委員会や協議会は問題であるとしました。そうした問題の原因として、全塾協議会における「上部団体」などの協議会の仕組みが挙げられます。「上部団体」について詳しくは次回説明させていただきます。

また、今回新設となった塾生代表も、実施された選挙の現状や協議会の認識を踏まえると、目的通り塾生の意見を広く汲み取ることができるものとなるかは不透明な部分が多く残ります。そうした状況においても、今回指摘したように選挙の監査やそれを受けての協議会の場においても何ら有効な対応を協議することもしない、自浄作用を発揮出来ない全塾協議会では、今後の慶應義塾大学における塾生自治の場の存続が危ういものであるのは明らかです。

私は、今回の選挙不正問題追及に際して賛同いただいた塾生の方々と合同で、全塾協議会規約24条に基づき、「全塾生の100分の1の署名をもって塾生による議事の提出」を行うことを考えています。公平性と透明性を満たした選挙の実施や、協議会における上部団体の仕組みの問題について改善策の実現を目指します。この署名と塾生発議の議案提出については下記のTwitterアカウントにおいて逐次ご報告ならびに協力のお願いをさせて頂きます。この記事をお読みになり「協力したい」「賛同する」という方は是非いずれのアカウントからでもリプライやDMにてご連絡ください。

第1回と第2回においては、選挙に関する事項を中心に全塾協議会の現状を書きました。次回はそれらの総括に加え、より具体的な問題点とともに湘南藤沢キャンパスにおける塾生自治の現状について書かせていただきます。

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