15日(木)3時限、Ω22で慶應義塾大学JREプロジェクト(有澤研究室)主催によるJR東日本寄附講座が開かれ、コラムニストの泉麻人氏が講演を行った。泉氏は、幼い頃から鉄道に興味をもっており、その興味を反映させた著作もある。


 泉氏によれば、鉄道や路線バスの魅力は「決まったルートを、時間通りに進んでいく」点、「駅やバス停の名前の由来を考える」点、「車窓から景色を眺める」点などにあるという。
 特に、車窓の風景を眺めていると、気になる発見が少なくないのだという。例えば、豊橋付近で見かけた「アトムの最中(もなか)」という看板は、気になるあまり取材にまで行ったという。また、田園風景にぽつんと立っている「727化粧品」「ピップエレキバン」などの看板は、いかにも日本的な印象だと語る。
 コラムニストならではの様々なエピソードが語られたが、泉氏の関心は、鉄道自体にあるというよりは、鉄道(や路線バス)で出会った人とのふれあいや、その人間観察にあるようだ。テーマを「『鉄道』の魅力」ではなくて、「『鉄道的』なものの魅力」としたのは、そのような理由なのかも知れない。