7日(金)4限、写真家の篠山紀信氏が「digi+KISHIN(デジキシン)」としてポップメディア史のゲスト講演を行った。「digi+KISHIN」とは篠山氏がデジタル表現の際に使うアーティスト名であり、1日(土)にオープンしたサイト名でもある。今回の講演は「digi+KISHIN」としての初講演。


 インターネットサイト「digi+KISHIN」では、ヘアヌードのグラビア作品を展開。各作品約7分程度の動画作品で、第1弾では20人計50作品を展開中。料金は1作品300円で,1カ月全作品を閲覧できる月極会員は1,500円となる。
 講演では、「digi+KISHIN」7作品を上映。「写真でも映画でもない、新しい表現。これは発明だ」と篠山氏は自負。作品は、静止画のフェードイン・フェードアウト・動画によって表現される。「映画にはストーリー、台詞、音楽、監督のメッセージがあり、ひとつの世界が形成され、観客はそれを受動的に受け入れる。しかし、digi+KISHINの作品はストーリーも台詞も音楽もなく、観客自身が自分の気持ちを入れていくインタラクティブなもの」と説明。
 製作過程に関して、「写真は全てデジタルカメラとデジタルビデオによって3人程度の少人数で撮影。一方、インターネットで発表するため観客は無限大。また、写真は撮影した順番に並べている。写真を撮りながら、服も心の鎧も取っていく。特別な編集はしていない」と説明。
 
  digi+KISHIN作品はAVビデオとは異なり感性に訴える部分があるため、θ館の女性の反応も上々。「なぜヌードなのか、という質問もあるが、ヌードがパブリックに見られるという抵抗を乗り越えた女性たちの美しさを表現する、究極の自己表現である」と語った。
 【篠山紀信氏のプロフィール】
 1940年 東京生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。
   在学中に広告制作会社に入社。1968年フリーに。
 1966年 日本写真批評家協会新人賞を受賞。
 1973年 「女形・玉三郎展」で芸術選奨文部大臣新人賞。
 1980年 「135人の女ともだち」で毎日芸術賞。
 1998年 「少女たちのオキナワ」で国際写真フェスティバル金の賞受賞。
など、現在も第一線写真家として活躍中。