3月23・24日(土・日)に、鶴岡タウンキャンパスで「雷サミット」が開催された。産官学公民の組織が協力し、雷を自然科学、文化、社会の面からアプローチして「市民への学習機会の提供」を狙うというもので、鶴岡市民が両日で300人ほど訪れ、好評を博した。


 「雷サミット」という企画は、3年前から妹尾教授があたためていたものである。その企画の連動サイトとして学生・市役所の協力のもとで「かみなりねっと」というWEBが最初に公開され、今回のサミットの開催に至った。
 開催する目的は3つある。雷害対策などに取り組む企業誘致などに活動を繋げ、鶴岡の地域振興を行うこと、雷に関する知識・新しい視点を学習する場を設けることで、市民への学習機会を提供すること、そして産学官公民のコラボレーションによって雷の新しい可能性を見出す、というものである。
 日本一の雷多発地帯である鶴岡では、当然雷による被害の影響も大きい。しかしそこを逆手に取り、雷を新しい産業・ビジネスや経験の可能性として捉えることで、鶴岡という地域が活性化するチャンスが生まれるのだ。
 今回、参加した市民からは「雷を多角的に捉えることができ、勉強になった」という感想が得られ、企業からも第2回を要望する声が早くも寄せられている。運営に関わった環境情報学部4年の加生さんも、「産学官公民の協働はこれまでSFCが10年、やろうとして出来なかったことだと思っています。そのような新しい形のイベントに関われて非常に有意義でした。『かみなりねっと』もメディアに取り上げられ、少しでも鶴岡の地域振興に貢献できたと思います」と語った。
 今後、「かみなりねっと」ではサミットの結果などをWEBに掲載、産学官公民の交流プラットフォームにしていき、雷の知の伝承、集積、交流、創出を行っていくことになっている。鶴岡キャンパスが市民に対して開放され、「地域にねざすキャンパス」になる第一歩となったこの企画の今後に、多くの期待が寄せられている。