10日(水)、加藤寛・初代総合政策学部長が、今年度1回目の合同教員会議に招かれθ館で講演を行った。講演後、学生食堂のサウスウィングにてレセプションが開かれ、SFC両学部長や現役の教授に応援の言葉を送った。


 加藤氏による講演会は、「SFCと私–univer-CITYを目指して–」と題され、教職員約100名が参加し、16時よりθ館にて行なわれた。
 講演では、福澤諭吉の建学精神と関連付けながら、開設の理念と思いを語り、教育による社会変革の必要性を説いた。また、開設にまつわるエピソードとして、建物のデザイン、文部省への学部認可申請、コンピュータ教育導入などについて、ジョーク交じりに話し、参加者の笑いを誘った。そして、今後の大学のあるべき姿として、地域社会と密接に連携した、生活機能をもつ「univer-CITY」の構想を提示し、SFCにおける看護医療学部の設立を称えた。
 講演後、SFC両学部長が中心となって学生食堂のサウスウィングでレセプションを開き、約1時間ほど教職員たちと歓談した。
 レセプションの中、SFC CLIPの取材に対し加藤氏は、「SFCはこの2・3年は停滞していた。しかし、最近発表された『グランドデザイン』を見る限り、このSFCはまた飛躍する。SFCの今の教授陣は大いに期待できる」と語った。
 SFCの学生たちについては、まず「ミネルヴァのふくろうになれ。」と言った 後、SFC生は基本的に非常識であるとして、「SFCで通じる考え方と、外の世界での常識には違いがあることをしっかり認識してから、社会に出ていくべきだ。一般常識を持たないと、田中真紀子のような、人の風上にもおけない人間になってしまう。」 と述べた。最後に、加藤氏は、SFC生には学問に限らず、趣味など幅広い分野の中から何か専門的なものを持つことを強く勧めた。
 進行役の1人である、小島総合政策学部長は今回のイベントが教職員向けであったことについて、「これからは学生向けにもこういったことをしていきたい。学部長と生徒との距離ももっと縮めていきたいと思っている。」と語った。
■■■ 加藤寛氏プロフィール
経済学博士。千葉商科大学/千葉短期大学学長。
慶應義塾大学経済学部卒業後、昭和41年慶應義塾大学経済学部教授、就任。
平成2年に、慶應義塾大学総合政策学部教授・学部長、平成6年には慶應義塾  大学名誉教授になる。平成 7年 4月から現職。他に、前政府税制調査会会長なども経ている。著書に、「国鉄・電電・専売-再生の構図」、「計画経済の成長方式」など。