12日(水)3限Ω11、ソシアルマーケティングのゲストレクチャーで、この夏公開予定の映画「ピンポン」(窪塚洋介主演)の監督、曽利文彦氏とTBSのブローバンドコンテンツ「Cat Chat」を開発した和田のりこ氏がゲストスピーカーとして講演した。


 ピンポンは、松本大洋原作の「ピンポン」をCGを駆使して映画化した作品で、7月20日に都内3箇所で公開される。監督の曽利文彦氏はCG技術の第一人者で、本作は初監督作品だ。この講演で曽利氏は作品の企画意図、制作のポイント、映画ビジネスについて語った。
 Cat Chatは子ども向けの情報活用と国際理解を支援するブロードバンド対応サイトで、2000年秋にサイトが立ち上げられた。毎週3本のニュースのバイリンガル配信と英語学習向けのアニメがメインコンテンツだ。ビジネスフィールドはエデュケーション、ブロードバンド、キッズの3つを横断し、情報発信型キャラクターとしてキャラクタービジネスフィールドも狙って  いる。
 「テレビ局の役割は」との学生からの質問に対して、Cat Chatの和田氏は「テレビ局はコンテンツを作る専門集団。今まではテレビで放送した後の2次的なものとして他のメディアを扱ったが、これからは様々なメディアで様々なコンテンツとその演出を続けていきたいと思っている」と答え、ピンポンの曽利氏は「テレビ局の行き詰まりもあり、テレビ局自身もいろいろなことを模索している。デジタルシネマという映画の作り方で、テレビの技術が映画の中に生かされていく時代。テレビ局側にもその役割を問いたい。今後テレビ局がどのように変わるのか楽しみだ」と語った。
【曽利文彦氏 プロフィール】
 1964生まれ、映画、テレビのVFXスーパーバイザーとして活躍中。96年にデジタルドメイン社に参加し、「タイタニック」のCGを手掛ける。邦画では「アンドロメディア」、「秘密」、「映画/ケイゾク」などのVFX(特撮)スーパーバイザーを務める。「ビューティフルライフ」、「池袋ウエストゲートパーク」等、数多くのドラマのタイトルバック、VFXシーンを担当。本作が長編第一作となる。
【和田のりこ氏 プロフィール】
 米国メリーランド州生まれ。地元オハイオ州のラジオ局で、音楽DJ、情報番組の ナビゲーター、ニュースキャスターなどを経験。筑波大学に入学、言語学を専攻。 卒業後TBSに入社。現在はTBSスポーツ局で、国際的スポーツイベントのテレビ放映権を獲得するための交渉を担当しているほか、開発局マルチメディア・センター、 メディア国際室メディア企画部、BS会議室などを兼任。