糸井氏は講演で、法隆寺や農業にまつわる逸話を例に挙げながら、「大事にしないものを作って大事にしないで使う」という、大量生産・消費型社会に対する批判をした。さらに糸井氏は、今後の展望について、大量生産・消費型社会からの脱却の手段として、インターネットのような情報技術があるとし、愛情の篭った高品質な商品の生産が可能になるのではないか、と述べた。


 その後質疑応答で糸井氏は、「自分が作るものが必ずしも受け取り手を喜ばせるとは限らないのでは?」という学生からの質問に対し、「自分が受け取り手として優れていることと、送り手として優れていることとはイコールの関係。それを往復しているうちに大勢を納得させるものが必ずあることがわかる。若いうちはニッチ化された社会での小ブームを起こすことなんて考えるな。そんなことは忘れろ。」答えた。
 インターネット概論の担当者である、村井純環境情報学部教授も、「さすが、言葉をピックアップする力がすごい。いい言葉は心にしみる。」と締めくくった