18日(金)に日吉キャンパスで行われる小泉信三記念講座において、塾員で日本サッカー協会特任理事を務める藤口光紀氏と、横浜FCゼネラルマネージャー(GM)の奥寺康彦氏が「ワールドカップで日本が優勝するためには」と題して講演を行う。場所は日吉キャンパス第4校舎J14番教室。


 この講座は、故小泉信三博士の慶應義塾長としての人的、及び学問的業績を記念して設けられた小泉基金により運営しているもので、全学的な総合講座として昭和43年から毎年実施している。過去には村山富市元首相や石原慎太郎東京都知事 なども講師を務めている。
 藤口光紀氏は1949年群馬県生まれ。新島学園高校を経て、慶應義塾ソッカー部で1年生からウイングとしてレギュラーを獲得し、1969年の大学選手権優勝に大き貢献した。大学3年次には日本代表にも選出された。卒業後の1974年、三菱重工に入社。サッカー部(現浦和レッドダイヤモンズ)に入部し、JSL(日本サッカーリーグ)にデビュー。1982年に現役を引退するまでの9シーズンで、JSLに127試合出場(27得点17アシスト)、新人王、JSL優勝2回、天皇杯優勝2回、JSL年間ベストイレブン3回、日本代表として国際Aマッチ25試合に出場等、輝かしい経歴を持つ。1982年に現役を引退後は、慶應義塾ソッカー部監督、浦和レッドダイアモンズ事業広報部長、運営部長を歴任した後、1997年からJリーグ・(財)日本サッカー協会入りし、Jリーグ事務局次長及び技術委員長、協会技術委員に就任。1998年からはJリーグの理事を務めている。選手としての経歴のみならず、運営現場にも深く関わっており、特にクラブ経営について優れた知見を有していることで知られている。
 奥寺康彦氏は1952年秋田県生まれ。1970年に古河電工に入社。サッカー部(現ジェフユナイテッド市原)に入部。同チームで天皇杯、日本リーグ、JSL杯の優勝を体験する。77年、ドイツのブンデスリーガの強豪1FCケルンに移籍し、日本人初のプロサッカー選手となる。1FCケルンでブンデスリーガ優勝、欧州チャンピオンズカップ(現 UEFAチャンピオンズリーグ)出場、ドイツカップ優勝などを体験した後、2部のヘルタ・ベルリンを経て、1部のベルダー・ブレーメンへ移籍。86年に帰国し、古河電工とプロ契約するなど、華麗な経歴を誇る。88年に現役を引退後はジェフユナイテッド市原の経営・運営に参画し、96年、ジェフ市原のゼネラルマネージャー、スーパーバイザーを経て、監督に就任(シーズン終了後退任)。99年、新しく結成された横浜FCのゼネラルマネージャーに就任し、現在に至る。
 日本サッカーに、選手・経営の両面から携わった二人の講演は、極めて興味深い。
今後のサッカー界のみならず、スポーツ界全般に対しての有益な議論が期待できるだろう。なお、聴講は自由で事前の予約は不要である。