毎年恒例のフランス語弁論大会「コンクール・ド・フランセ」(主催:朝日新聞社、後援:フランス大使館)決勝が9日(日)、東京築地・浜離宮朝日小ホールで開催された。SFCでフランス語科目を聴講する安孫子悠さん(文1)の優勝をはじめ、4位を稲本早苗さん(環3)、5位と+ユーモア賞を内村尚志さん(総3)が獲得するなど、今年もSFCフランス語教育の成果が伺える結果となった。


 例年80名余の応募があるこのコンクール、今年は原稿審査で選抜された約15名が決勝に参加し、うち5名がSFC生で、1名が春学期からSFCのフランス語コンテンツモジュラー・スキルモジュラーを聴講している安孫子さんだった。
 SFC CLIPでは、安孫子さんとフランス語担当の総合政策学部・堀茂樹助教授に受賞後の感想などを伺った。
 優勝を射止めた安孫子さんのスピーチのテーマは「Le jour ou je franchirai la frontiere de la musique(音楽の国境を越える日)」。「小さい頃から音楽が好きで、今もピアノと合唱のサークルに入っています」という彼女は、高校時代から東京日仏学院でフランス語を学び、義塾にもフランス語受験で入学した。春学期からSFCのスキル・コンテンツモジュラーの聴講を申し込み、更に堀茂樹研究プロジェクトにも参加。フランス在住経験は無いものの、その語学力は堀先生曰く「驚異的なレベル」とのことだ。
 安孫子さんは、「コンテストの準備段階では、堀先生をはじめ、様々なSFCの先生のご指導をいただきました」と、今回の優勝にSFCのフランス語教育が果たした役割の大きさを強調する。堀助教授はSFCの強みに関して「なんといってもSFCには前向きのチャレンジ精神がみなぎっています。それに今回4位、5位に入った稲本君、内村君をはじめ、ライバルもひしめいていますからね」とコメント。「文学部とSFCではフランス語の授業の雰囲気がまったく違う」と言う安孫子さん同様、堀先生もフランス語科目のカリキュラムも特徴的ではあるが、何よりもSFCの雰囲気、つまり「文化」が影響していると語った。
 一方、フランス語教授陣の中には、高いレベルに達している安孫子さんのフランス語会話力の土台となっている「しっかりした文法や語彙の学習」をおろそかにしないでほしい、というSFCでフランス語を学ぶ学生への更なる期待も存在する。
 最後に堀助教授は、SFC生へのメッセージとして、来秋以降も行われるこのコンクールに向け、「弁論大会はあくまで弁論大会というひとつのゲームにすぎないので、フランス語を学問的・職業的に使いこなしていくという真の目的を見据えてコンクールに挑んでほしい」と語った。