23日(土)13時より、Ω12にてデジタルコンテンツの著作権をテーマとするシンポジウムが行われた。苗村憲司政策・メディア研究科教授の司会の下、斉藤博専修大学教授・久保田裕(社)コンピュータソフトウェア著作権協会専務理事・砂川浩慶(社)日本民間放送連盟著作権部副部長・金子満政策メディア研究科教授・斉藤賢爾政策メディア研究科後期博士課程が意見を交わした。


  前半は、各氏がそれぞれの立場から著作権の現状を説明すると共にそれに対する解決策や展望などを述べ、後半は話題に沿って司会の苗村教授が各氏にコメントを求める形で議論が行われた。留まることのない違法コピーなどに対して、プロテクトをかけ規制を強めるのではなく、情報ビジネスやコンテンツ産業、引いては文化が成立していくためには消費者側が著作権を認め料金を支払うことを理解すべきであり、そのためには教育や情報開示、法制度、電子技術などの整備が強調された。
  また、「メディア産業論や産業構造の近未来が定義される前に著作権問題だけを取り上げても不毛である」、「海外における著作権事情は酷く、国内だけでなく海外の動向も視野に入れつつ戦略的に考えるべき」といった意見も述べられ、デジタルコンテンツの著作権問題の根の深さを窺わせた。会場には学生・卒業生に加え一般来場者が聴講に訪れ、議論に熱心に耳を傾けた。