17日(火)5限、λ13で、重信メイ氏が、堀茂樹研究室主催でゲストレクチャーを行った。今学期の堀茂樹研究プロジェクト(1)のテーマは、「経験としてのトランスカルチャー」。重信氏がトランスカルチャー的経験を凝縮的に担っている人として注目し、今回の講演を行うに至った。

「アイデンティティはパスポートではない。アイデンティティとはどういう気持ちを持っているか、ということだ。」と、重信氏は、自分の持つ様々なバックグラウンドについて語った。聴講者からの「家の中は日本人、外ではアラブの文化という生活において、自分の中で文化的な摩擦や葛藤はなかったのか」という質問に対しては、「日本の『本音と建前』の文化に戸惑うことがありますね。アラブ人は、日本人に比べてストレートに感情を表現しますから、混乱することもあります。」と応えるなど、多くの質疑応答が交わされ、会場は盛り上がった。
 また、国際ジャーナリストを目指す氏は、「グローバル化により、情報が多く流れるようになったが、情報の流れは以前として一方方向ではないか」と現在の情報化社会に対しても意見を述べていた。
【重信メイ氏 プロフィ-ル】
 1973年、レバノン・ベイルートで、日本赤軍リーダー・重信房子の娘として生まれる。1997年、ベイルートのアメリカン大学を卒業後、同大学国際政治学科大学院に在籍。2001年3月5日に日本国籍を取得し、4月3日、はじめて日本の地を踏む。