17日(金)3限、Ω22にて、アートディレクターの浅葉克己氏が、「知識情報論」(小檜山賢二政策・メディア研究科教授担当)のゲストとして、講演を行った。浅葉氏は、1970年代から日本の広告デザインの第一線で活躍するアートディレクター。数多くのCMを手がけた他、長野五輪の公式ポスターの制作、映画の美術監督など、幅広く創作活動を行っている。


 講演の中で浅葉氏は、趣味である南京玉簾のパフォーマンスを披露し、満員の会場を沸かせた。また、合計120枚あまりのスライドを用いて、自身が手掛けたデザイン作品や、世界各地のスナップ写真を紹介した。
 スライドでは、自身が手掛けた、キューピー、サントリー、西武百貨店、日清カップヌードルなどの広告作品を、制作当時の逸話を交えて紹介。また、写真撮影・文字の研究のため訪れた、世界各地のスナップ写真を映しながらそれぞれの地の文化、伝統、社会について語った。
 浅葉氏は、最後に「言葉・写真・映像でも、ものを考えるには、習慣的にやったほうがいい。私の場合、1日1つデザインを考えるようにしている」という言葉を残し、講演を締めくくった。
 会場には、授業履修者以外など約300名が詰め掛け、立ち見が出るほどの盛況だった。
 【浅葉克己(あさば・かつみ)氏】
 1940年神奈川県生まれ。2002年度東京ADCグランプリ受賞ほか、数々の賞を受賞しているアートディレクター。1975年浅葉克己デザイン室を設立。以後アートディレクターとして日本の広告デザインの第一線で活躍。1987年東京タイポディレクターズクラブ(TDC)を設立。最近では、中国麗江の象形文字「東巴(トンパ)文字」の研究を行い、トンパ文字の展覧会を開催するほか、サントリー「日本茶玄米」の広告でトンパ文字を利用するなど、その普及活動の第一人者となっている。