22日(火)4限、河野義行氏がΩ22にて報道被害について特別講演を行なった。特別講演の題目は「テレビ報道とメディアリテラシー -松本サリン事件報道と現在-」。草野厚研究室所属プロジェクト『メディアから世界を見る』の主催で行なわれ、河野氏は94年6月の松本サリン事件をめぐる報道によって受けた深刻な被害について、約1時間語った。


 当日は270人収容の教室に約130-150人が集まり、後半30分は質疑応答に移り、6人ほどの学生が質問をした。
 講演で河野氏は、松本サリン事件発生以後の警察とマスコミの動きを中心にした経緯を語り、特にマスコミとマスコミに扇動された世論による被害の深刻さについて話した。話の中で河野氏は報道の影響力の大きさを指摘し、「何もしていないのに、(疑われると)何もしていないことを証明するため動かなければいけない」と冤罪報道への思いを伝えた。
 質疑では次々と学生たちより手が挙がり、河野氏は各質問に対し丁寧に応答した。質問の1つ「当時の第一線の取材記者は、松本サリン事件を真摯に受け止めているのか?」という問いに対しては、「入院中の頃からお詫びの手紙が来たこともあった。個々の記者でいえば、お見舞いに来てくれたりその後もお手紙があったりはした」と答えた。