10日(土)、防衛庁長官の石破茂氏が、金田秀昭・総合政策学部特別招聘教授の担当する安全保障論にゲストとして招かれ、11時より約1時間半に渡り講演した。


 講演題目は「新たな安全保障環境におけるわが国の防衛」。講演ではマスコミがシャットアウトされていたこともあり、石破氏は日本の安全保障について、予定時間を大幅に超えて明快な口調で語った。

石破氏はθ館に集まった約350人の学生・教員に対して、安全保障の観点から東アジアにおける日本や周辺諸国の状況を述べ、さらに日本の自衛隊や安全保障をめぐる法整備の脆弱さを指摘。「日本の安全保障の法整備は温泉旅館の違法増築のよう」と話した。終盤の質疑応答では5-6人の学生より質問が上がり、各質問に対し石破氏は丁寧に応答した。
 当日、θ館およびその周辺には厳しい警備体制がしかれ、会場入り口では身元確認や大掛かりな機械を用いた手荷物検査が実施された。

SFC CLIPの取材に対し関係者は、今回の特別講義の位置付けはあくまで「通常授業の補講にあたり、目的は石破防衛庁長官に踏み込んだ話を聞くこと」とした上で、「外部のマスコミをシャットアウトしたのは、(この目的を重視した)講義を受け持つ金田教授の意向によるもの。安全保障論の履修者の利益を尊重し、報道や基調講演では聞けない話を聞くための措置」と、事前対応について説明した。
 なお、この特別講義は、KEIO NIVERSITY SFC GLOBAL CAMPUS(SFC-GC)にてインターネットでストリーミング映像を視聴することが可能(学内限定)。