9月下旬、慶應義塾大学出版会から「総合政策学の最先端」が発売される。本書は、全4巻にわたり「総合政策学」に関し初めて本格的・体系的に網羅されている書籍。SFCの政策系の専任教員のほぼ全員である60名が執筆し、総合政策学部の研究成果のエッセンスが公開されている。各巻、A5判320-420ページ、定価は2200円から2500円と、学生が買いやすい値段に抑えてある。


 本書は、今までSFCが社会に与えてきた教育面で与えた影響のみならず、研究面におけるインパクトを強く押し出すことが狙い。SFC CLIPの取材に対し、「総合政策学の最先端」編集委員の一人である岡部光明総合政策学部教授兼政策・メディア研究科委員は「この4冊にSFCのエッセンスがつまっているので、卒業するまでに、ぜひSFCの学生全員にこの4冊を読み通して欲しい」とコメントを寄せた。
 本書は、昨年の11月に計画が決まり、今年の9月下旬に発売という、正味11ヶ月のスピード刊行だった。これには、編集委員を始めとするSFC教員の使命感と協力体制、またEメール、インターネットなどの情報通信技術の活用があった。原稿の授受は、原則的に全て電子メール等を使った文書ファイルの送受信で行い、提出された全ての原稿は一端インターネット上の編集サイトに掲載、関係者はそれをどこからでも閲覧できる形をとるなどの工夫をした。
 SFCには、色々な協同研究が存在するが、今回の書籍では、その協同研究を構成する個々人の得意分野の最先端の研究分野に内容を絞っている。
 今回の書籍の編集委員は、金子郁容政策・メディア研究科教授兼総合政策学部教授、梅垣理郎総合政策学部教授兼政策・メディア研究科委員(以下全員政策・メディア研究科委員を兼任)、岡部光明総合政策学部教授、香川敏幸総合政策学部教授、小島朋之総合政策学部教授、森平爽一郎総合政策学部教授が務めた。
第1巻「市場・リスク・持続可能性」…経済・社会のマクロ的問題など
第2巻「インターネット社会・組織革新・SFC教育」…インターネット社会、組織の経営・運営などの分野
第3巻「多様化・紛争・統合」…主に国際社会、言語の分野
第4巻「新世代研究者による挑戦」…SFCの大学院で博士号を取得した人たちによる最先端の研究成果など