26日(水)13:00より、Ω11にて、2004年4月より横浜市立大学初代理事長を務めている孫福弘氏のゲストレクチャーが行われた。


 レクチャーはまず「21世紀の日本の大学はどうなるか」について、「学問の枠組みの再編成」「大学の社会化」「教育のコンセプトの革新」「研究スタイル方法の進化」「運営コンセプトの刷新」などの切り口から語るという形式ですすめられた。
 孫福弘氏はSFC創設時の事務長。1962年慶應義塾職員になり、その後は秘書課長、大学国際センター事務長、湘南藤沢キャンパス事務長、人事部長、業務改革推進室長兼務などを経て、1997年から2001年までは理事・塾監局長も務めた。実務の視点から、一貫して大学経営や大学改革を研究している。横浜市立大学初代理事長に抜擢されてから、はや2か月。講義「大学の経営と組織」(担当教員:両角亜希子)の特別講師として「大学の経営改革とプロフェッショナル・アドミニストレーター」をテーマに、久しぶりの「孫さん節」を披露した。
 レクチャーはまず「21世紀の日本の大学はどうなるか」について、「学問の枠組みの再編成」「大学の社会化」「教育のコンセプトの革新」「研究スタイル方法の進化」「運営コンセプトの刷新」などの切り口から語るという形式ですすめられた。
 なかでもSFCについては、主役が学生で舞台がキャンパスや街であるという「創造開発型」の大学の先行例としてあげつつも、まだまだ足りない部分があると指摘。学生のアドバイザーやカウンセラー制度の整備が遅れていることを取り上げ、学部1年生からキャリア意識を促す「キャリア・デベロップメント」の重要性を説いた。
 本題は、日本の大学の弱点の一つである大学行政管理職員(アドミニストレーター)のプロフェッショナル化について。これまでは「事務屋」と呼ばれ、ジェネラリストとして働いてきた職員管理職に、高度専門職業人の意識や総合的・政策的・国際的視野が必要であることを語った。また、自身がそういったアドミニストレーター育成に向けて、1997年に「大学行政管理学会」を組織したことも紹介した。
 質疑応答では、孫福氏のルーツや現役大学生へのアドバイスを求めるものが相次いだ。
 終了後、久しぶりにSFCで講義を行った感想を聞くと、孫福氏は「専門家のような質問が飛び出して、感心した。横浜市立大学では学生に講義する機会がなかったので、新鮮だった」と満足な様子だった。