今年度から大幅に変更された情報処理科目について、特集第1回目の先週は改革された理由を取材した(第1回「知っていましたか? 情報処理が変わったワケ)。第2回となる今回は、情報処理科目改革の内容について、引き続き服部隆志環境情報学部助教授にお話を伺った。


改革のポイントはなんでしょうか?
 情報技術を身につけることを目的とするのではなく、どう活用していくのかということを目的とした授業内容にしたことです。それに伴いグルワの導入、wikiを利用した授業形態、学習目的の明確化を行いました。
 そして、授業で全体としてテストをしなくなった代わりに、授業外で定められた情報技術認定試験を受けないと秋からのプログラミング入門等、他の情報技術科目は履修できないようになりました。また、秋に情報技術ワークショップという新科目が設置されることになりました。
改革にあたって授業の最終目的、理念は統一できていますか?
 最終目的は教師により違いができてしまったようです。しかし、理念については会議でよく話し合っていますので、統一されていると思います。
なぜWikiを授業に取り入れようと思ったのですか?
 コラボレーションの道具として、今まではメールを教えていました。しかし今の時代メールを大学で教えても仕方がないので、新しく便利なWikiの存在を活用しました。
全体テストがなくなった代わりに最終課題として「○○のためのIT入門作成」を作ることになりましたよね。それはどのようにして決めたのですか?
 単純に使い方を覚えるのではなく、情報技術がなんであるかを知って欲しいという、(学生が)授業を受ける上での意味を考え、そのようにしました。また、他の人に教える形で作成することで、生徒が情報技術をよりよく理解できると思いました。
高校で情報科目が必修になりましたが、何か対策はありますか?
 高校で実際にどれだけやるのかはわかりませんし、主な進学校においては受験科目ではないため、「刺身のつま」程度にしか考えてないと思います。特にそれに合わせた対策は考えていません。
改革をした感想はいかがですか?
 大変というのが感想です(笑)ですが、昨年より良くなっているという感想をいただいていますし、SFCは他の学校と同じ事をやってはいけないと思いますので、頑張ります。
反省点はなんでしょうか?
 やはり準備が足りなかったということです。教材にも改善点がいろいろあります。しかし、やってみないとわからない点はありますので、今後どんどん反映させていきたいです。しかし、今回の改革により、UNIXが何の役に立つかという質問等はなくなりましたね。
 このように服部助教授は、インタビューの中で、今回の改革は情報技術を目的ではなく、手段としたかったということを強調した。今回、長い時間インタビューに応じていただいた、同氏に深く感謝する。特集最終回となる、次回第3回は、情報技術認定試験と、情報処理科目の今後の展望についてレポートする