金子郁容研究室は、アンケート調査一般を行う上での事務的負担を軽減するための、一連のソフトウェア群、SQS(Shared Questionnaire System)を開発した。


 SQSは、調査仮説・調査票・調査結果等をXMLで表現して知識処理し、アンケート調査のプロセス情報を共有・再利用することができる。SQSの導入とSQS利用者コミュニティの連係によって、社会の中のさまざまな組織にPDCA(Plan-Do-Check-Action)型のマネジメントを普及させることを目的としている。SFC学内での授業やゼミ研究などでアンケート調査を行う際のツールとして、また企業やNPOでのマーケティングのツールとしての利用を見込む。
 また、開発成果物はオープンソース(Apache License Version 2.0)で提供しており、無償利用や、独自にカスタマイズしたものを再配布することが可能。
 共有される調査票は、XHTML2.0+XForms1.0のサブセットであるSQS Source形式によって定義されている。SQS Sourceは調査の実施形態に非依存であり、これを、XSLTを用いて実際の調査の実施形態ごとのメディア(紙に印刷されたマークシート、PCなどのWebブラウザ、携帯電話やPDA等のWebブラウザなど)上のコンテンツに変換して利用する仕組みになっている。
 現在までに、SQS Source形式のXMLファイルをGUI上で編集し,各種の調査実施形態に応じたインターフェイス表現に変換する機能を備えた"SQS SourceEditor"と、マークシート形式のアンケート調査実施形態について、スキャナなどで読み込んだ回答画像ファイル群をもとに、マーク読み取りと自由記述欄の画像の切り出しを行なう"SQS MarkReader"を開発している。