渡辺靖 環境情報学部助教授に、第1回(平成16年度)日本学術振興会賞が授賞されることが、18日(金)付けの報道発表用資料によって明らかになった。著作『アフター・アメリカ-ボストニアンの軌跡と<文化の政治学>』が評価された。


 「日本学術振興会賞」とは、独立行政法人日本学術振興会の設けた審査会により、優れた研究をしている若手研究者を対象に贈られる賞。日本の学術研究を、世界のトップレベルに伍する水準に発展させる狙いで創設された。とりわけ独創的、先駆的な研究に与えられる。
 第1回となる本年度は「人文・社会科学系」「理工系」「生物系」の3分野から25人が選ばれた。授賞式は3月22日(火)に日本学士院で行われる予定。受賞者には副賞として研究奨励金110万円が贈呈される。
 渡辺教授は、同著により、昨年12月にもサントリー学芸賞(社会・風俗部門)を受賞している。今回の授賞理由として、報道発表用資料によると、「丹念なフィールドワーク」「民族誌的手法と類い稀な執着力を以て、接近が極めて難しいアメリカの保守主義社会の内実に肉薄し、その複雑な構造を分析した結果、重厚で説得力あるアメリカ社会論となっている」というように、同著に見られる調査・分析に対する丁寧な姿勢の表れや、その独自な視点が賞賛されている。
今回の受賞決定に当たり、渡辺教授から、
「どの新聞社よりも早くSFC CLIPから取材が来たのでビックリしました。さすがSFC。文芸賞や論壇賞ではなく学術賞ということで、またひと味違った嬉しさを感じています。これもSFCという日本で最高の研究・教育環境のおかげです。同僚の教職員の皆さん、そして何よりもインスピレーションを与え続けてくれるSFCの素晴らしい学生諸君に感謝します」
とのコメントが寄せられた。