4日(金)・5日(土)に、テキサス大学オースティン校で行われた、初期段階の技術の製品化に関するコンペ、Idea To Product(I2P)International Competitionで、浮津弘康さん(総3)、武石訓尚さん(総1)のチームが部門3位の成績を収めた。浮津さんらのチームは、9月末にシンガポールで行われたアジア大会で、2位の成績を収め、世界大会への切符を手にしていた。

I2P International Competitionは、College of Engineering、Technology Entrepreneurship Society、Kelleher Chair for Entrepreneurshipの3部門に別れ、各部門で1位に選ばれたチームが、決勝を行う仕組み。慶應義塾大学、テキサス大学オースティン校の他、シンガポール国立大学、スタンフォード大学など14の大学が参加した。浮津さんらのチームは、Technology Entrepreneurship Society部門で3位に輝いた。他のチームは英語を母国語とし、大学院生のチームが多い中で、英語のハンディがありながら、学部生だけで入賞を果たした。他の入賞チームは全て大学院生のチームであった。
 浮津さんらのチームの発表の内容は、ペットボトルのリサイクルのために、ペットボトルのキャップとキャップを取った後に残るリング、そしてラベルを自動的に取り外す装置のビジネス化に関するもの。これまではペットボトルのリサイクル時には、手作業でキャップやラベルを取り除いていたが、当装置によって、手間や人件費の削減が実現できる。前回のシンガポールでの発表から、装置の技術を改良させ、発表した。
 SFC CLIPの取材に対し浮津さんは、「今回も前回同様、準備期間が短かったですが、メンター三田会の皆さんを始め、慶應の関係者の皆さんのご協力とご指導があって、準備を進めることができました。英語が苦手な分、映像を使用したり、パワポの内容を工夫した結果、自分たちのプロダクトの良さ伝えることができたと思います。結果として3位という成績を収めることができ、世界の人々に認められたことは自信になりました」と喜びを語った。
 プロジェクトの今後については、「実践で社会に対して問いかけ、社会の問題を解決していくフェーズ。市町村と提携して、実証実験をしていくなど、アウトプットをしていきたい」と語った。
 今回の発表にアドバイザーとして同行したSIVラボ事務局長の牧兼充助手は、SFC CLIPの取材に対し、「今まで海外の国際コンテストと国内コンテストの水準の差は大きいものでした。今回浮津君のチームが、大学コンテストとして世界最高水準のスタンフォード大学の代表者と同列に入賞したことは、SFCのコンテストがグローバルな水準に通用するということであり、大きな成果だということをSFCの皆さんにお伝えしたいと思います」と、コメントを寄せた。
※編集部注:今回のスタンフォード大学からの参加チームは、過去にGoogleも入賞したことのあるコンテストから選ばれたチームで、浮津さんらとは別部門で3位入賞した。また、浮津さんらのチームは、2005年2月に開催されたSIVアントレプレナー・ラボラトリー主催の「SIV Business Plan Contest 2004」にてGold Award(2位)を受賞し、今回のI2Pのコンテストの趣旨に合うチームとして選出され、コンテストに出場することになった。