佐藤雅彦環境情報教授による映像を多用する授業形式のセッションが2日目のORFを盛り上げた。「映像表現と脳科学」をテーマとして、見る者が「抗いがたい表現」が紹介され、佐藤教授の手がけた数々のコマーシャル映像に秘められた必然性に会場は沸いた。


 セッションでは、「抗いがたい表現」と「タスクアニメーション」という佐藤研究室による2つの研究の紹介が行われた。「抗いがたい表現」としては、顔や動きの中の差分を含む視覚的表現、オノマトペや不快感を伴う言語表現、音と同期している表現などが紹介された。佐藤教授が過去に手がけた作品や「ピタゴラスイッチ」の映像の中には、確実にそれらが存在している。また、それらを否定する研究者がいたために行なわれた実験の結果が紹介されると会場は笑いに包まれた。
 アニメーションによって特定の脳の機能を働かせる「タスクアニメーション」については、ランダムに動く点の映像に、突然顔の画像が挿入される場合(カットイン)と、点の動きの中で顔が形成される場合(フェードイン)によって、その映像を見ている人の脳の働きが異なることを医学部脳神経外科との共同研究で明らかにしていく様子が紹介された。