出展に関わる学生達にとって、ORFは21日(月)から既に始まっていた。企業人のランチや、観光で華やぐ昼下がりの六本木ヒルズの至るところで、各研究室による前日準備隊がごそごそと集合し始めていた。

会場は前年度と同じく森タワーの40階、アカデミーヒルズ。都心を一望できるこの見晴らしの良いフロア全体が、二日間に渡ってSFC一色に染まることとなる。今年は、前年度にましてMD(メディアデザイン)・ED(環境デザイン)エリアのブースが大掛かりで、印象的であった。

まずは脇田研による、大量の赤いトナカイの角の様な飾り付け、その隣に位置する稲陰研は骨組から作って天井も付いた、黒い布で覆われた小屋を建てていた。また池田研の「自己組織的空間ツール」の幻想的な白い幕、三宅研の「アキバ犬」、さらに奥出研の手作りの木の壁やテーブル等、各研究会のカラーが出て会場は段々と変貌していった。

ORF当日の22日(火)、朝は出足が鈍ったものの、平日の火曜日もかなりの来場者によって会場は賑わいを見せた。繰り返し熱心に説明する展示メンバーにとって、無線LANよりも、水とのど飴が必需品となった。
 一方、各ブース横は「舞台裏の楽屋」となっていた。稲陰研と奥出研の間のスペースは、大量の荷物とペットボトル、緊急にソフトウェアのデバッグをする人、力尽きてスーツのまま倒れて眠っている人などで埋め尽くされ、その奥に位置する講師控え室のドアは塞がりかけていた。

23日(水)、大勢の来客者で賑わった後の会場では、疲労と達成感でいっぱいのスーツ姿の学生達が忙しく片付けをしていた。ひと段落着いたところで、乾杯と共に熊坂先生・國領先生よりRFIDタグによる入場者数ランキングが発表された。5位が清水研、4位が田中研、3位が熊坂研、2位に稲陰研、そして1位のMVPには奥出研が選ばれた。

その後ブースの至るところで一本締め、三本締めの掛け声が上がった。ORFに向けて日々準備に明け暮れた出展メンバー達は、打ち上げに向かうべく会場を後にしていった。