さまざまな分野で研究や活動している学生の成果を発表する、SFC卒業制作展(卒展)が今年度は開催されないことが明らかになった。卒展は大学の公式行事ではないものの、卒業生有志らを中心に2003年から開催され、春の恒例行事となりつつあった。なぜ卒展が開催されないのか、そして今後も開催する予定はなく、たった3回限りで終わってしまうのか。 2004年から卒展実行委員会に参加し、昨年度は実行委員会副代表をつとめた奥野洋介さん(環3)に真相を聞いた。


今年度の卒業制作展を開催しないということに至った経緯は?
 卒展実行委員会は学生有志によってつくられる団体です。そのメンバーのほとんどは4年生です。毎年卒展終了後、卒業してしまう4年生以外の実行委員、つまり主に次に卒展をやる3年生が引き継ぎ、同学年の学生に声を掛けて出展者を募る形式で継続して開催してきました。よって卒業制作展実行委員は毎年新しい人員を組み直して運営される、短期的な団体になっていたことが事実としてあります。
 昨年度は実行委員に活動を引き継ぐべき3年生が在籍していませんでした。ですので2003年度の第1回開催以来継続していた流れが初めて途切れてしまい、組織を維持することができなくなったのです。これが今回開催を中止せざるを得なくなった理由です。
 このように、組織運営の問題で開催することができなくなったことは非常に残念です。卒業生、及びSFC卒業制作展を心待ちにしてくださった方々に深くお詫び申し上げます。申し訳ございませんでした。
有志が集まれば来年度の開催は可能ということでしょうか。奥野さんは来年度の卒展についてどのような展望を持っていますか?
 2007年度卒業制作展については、現在会場や日程、出展者募集等々、調整中ですが、開催を前向きに検討している状況です。
 そしてなにより組織としては、これまでの4年生主体の運営方式を見直さなくてはならないと考えています。在校生、4年生が一体となって組織運営を行っていくことが理想ですが、そのためには特に2、3年生のサポートが重要なポイントであると考えています。まずは組織を確立することに努めていきたいと思います。そして、来年度の4年生出展者の募集をこれまで以上に盛んに働きかけていき、第4回卒業制作展を開催させることができたらと考えています。よろしくお願い致します。