SFC Open Research Forum 2006の1日目、11月22日(水)16:00-17:30、丸ビル7階丸ビルホールでメインセッション「知事をしてみて分かった分権社会日本の課題」が開催された。金子郁容政策・メディア研究科教授と前宮城県知事の浅野史郎総合政策学部教授の対談に参加者は聴き入っていた。

ORF2006

浅野教授は3期12年に渡って宮城県知事を務め、昨年10月の知事選には出馬せず、同11月の任期切れを以って知事職を辞し、今年の4月に総合政策学部教授に就任した。対談ではまず初めに金子教授が大学人に転身した感想を問い、それに対して浅野教授は「一言で言えば辞めてハッピー」と答え、その理由として収入が増えたこと、年齢的に転職が可能だったことなどを挙げ、教授としての新生活についても述べた。

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最近、相次いで知事の不祥事が明るみに出ていることもあり、対談では知事の権力や選挙と談合問題が話題に上った。浅野教授は官製談合の原因として「選挙、側近、発注者側である県庁の姿勢の甘さ」の3つを挙げ、自らの経験に基づいて問題の本質を解きほぐしていった。

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対談は金子教授が質問し、浅野教授が答えるという形で進んでいったが、逆に浅野教授が「教育は悪い意味で最も中央集権になっていると感じているがどうか」と問いかけ、11月10日(金)に長野県教育委員を辞職したばかりの金子教授が持論を展開しつつ答える場面もあった。
 最後に「知事をやってきて分権は進んでいると実感したか」と金子教授が問うと、浅野教授は「どこに期待水準を置くかによるが、思っていたよりは速く進んだと思う」と答えた上で、三位一体改革の問題点を挙げて改善策を提示し、対談は締めくくられた。
 対談後には質疑応答の時間が用意され、参加者からは積極的に質疑が出た。