2004年度から始まった情報技術科目の認定試験制度。卒業までの合格が義務化された最初の世代はもうすぐ卒業予定だ。認定試験に合格していない学生はどうなったのだろうか。


■卒業半年前までに合格が必須
 04-06年度に総合政策・環境情報学部に入学した学生は、情報技術科目(現在のカリキュラムでは創造技法プログラミング科目にあたる)から8単位以上を習得することが、卒業条件の1つ。最も基礎的な「情報技術基礎(4単位)」だけは、認定試験に合格しなくても履修することができた。そのため、卒業予定の1つ前の学期中に認定試験に合格しなければ、最終学期で残りの4単位を取得することができないため、卒業条件を満たすことができなかった。
 一方、07年度以降の入学者対象の新カリキュラムでは、創造技法プログラミング科目から4単位の習得が必要。「情報技術基礎」と同一科目にあたる「情報基礎」がリフレッシャー科目という区分になったため、実質的に認定試験の位置付けは変わっていない。
 なお、認定試験は「基礎知識」「基本操作」「タイピング」の3つの内容で始まった。今年3月に試験内容が更新され、「基本操作」は試験から外れ、タイピングの問題も短くなっていた。
■今期限定で設定された特例
 この制度が始まった最初の世代が卒業予定となった今学期、認定試験に合格していない学生向けの特例が設定された。この特例では「情報技術ワークショップ」の履修が変則的に認められるが、補修として「情報基礎」も聴講する必要がある。さらに学期末、つまり卒業までに認定試験に合格するという条件も加わる。
 この特例を、今学期卒業見込みの4年生12名が利用している。なお、「情報技術ワークショップ」が選ばれたのは、授業内容が「情報基礎」と関連があること、プログラミング科目よりは要求される前提知識が少なく、授業を受ける際の支障の度合が少ないという理由からだ。

■「情報基礎」履修で対策を
 しかし、今回の特例を担当する服部隆志環境情報学部准教授によると、来期以降は特例を設置する予定はないという。今学期の特例には、対象者の入学時は認定試験を開始したばかりでサポートが十分でなかったことや、履修後の合格率が高い「情報基礎」を自由科目として再履修できないといった事情が考慮されているためだ。
 認定試験に合格しない学生は、特にタイピングで躓く場合が多い。「情報技術基礎」ではタイピングを自主的に習得するものとして扱っていなかったが、新カリキュラムで設けられた「情報基礎」では授業の一部として指導しており、認定試験の合格率も9割程度と高い。
 来年度からは「情報基礎」が自由科目として再履修できるため、「情報基礎」を履修して認定試験対策とする事が可能。なお、卒業までに「創造技法プログラミング科目」の単位を十分に取得するためには、少なくとも卒業の半期前までに合格する必要があるため注意が必要。
 但し2004年度9月入学の学生についても、今年度中は自由科目としての再履修が認められない。そのため、「今のところ、今学期に卒業できなかった人も含めて、春休みに情報基礎相当の講習会を開くことを考えています」とのこと。