今年のORF独自の試みとして、「SFCブックカフェ:知の生態系を育てる」が行われた。SFCの教員・学生・卒業生が書いた本を集めて展示し、それらを「知の生態系」として可視化できるシステムが構築された。600冊近くの本が収められた大きな本棚の周りにはソファーや机が設けられ、多くの人で賑わった。


 ブックカフェは、SFCで普段研究されている技術をもとに構成され、國領二郎研究室、田中浩也研究室、プラットフォームデザインラボの提案をもとに、「知」という資源を蓄積・共有する空間がデザインされた。
 本には、それぞれにRF-IDタグが埋め込まれており、設置された机に本を置くと、本に関する情報が表示されるシステムであった。これにはAuto-IDラボとNTTComによる電子タグ技術が使われている。
 また、複数の本を置くと、それらが結びつけられ、大型ディスプレイに表示された「知の生態系」が広がっていく様子を見ることができる。このネットワーク生成のシステムは熊坂研究室と井庭研究室によるもの。ディスプレイ上で可視化するシステムは、脇田研究室の開発したものだ。
 また、両日共に時間交代制でトークセッションも行われ、登壇者はソファーでくつろぐ人々の前でセッションを行った。登壇者と観客の距離が近く、セッション中にコミュニケーションが交わされる場面も見られた。