28日(水)、大手出版社講談社が、漫画関係のサイト管理者のべ156人に対して「慶応義塾大学総合政策学部の学生」と身分を偽ってアンケートを依頼するメールを送っていたことが判明した。


 メールを送信したのは、同社内の販売と漫画を担当するセクションの社員10人程のチーム。2日(金)-19日(月)までの2週間以上に渡って、「かーずSP」や「レビログ」といった漫画を話題にすることの多い人気サイトの管理者に、156通のメールを「blogrepo7 @ gmail.com」というアドレスから送信していた。
 メール本文では、「慶応義塾大学総合政策学部でWebマーケティングについて学んでいるxxという者です」と名乗り、「コミックスのインターネットによる販売促進効果に関する調査の一環」として「講義レポートという私的なお願いで大変恐縮ですが、どうかご協力いただけないでしょうか?」とアンケートの依頼を切り出している。
 アンケート内容は、添付のExcelブック内に20問程度の質問が設けられているもの。項目は、年齢・性別・職業に始まり、サイトの運営体勢からマンガの趣味に至るまで様々。アフィリエイトの収入や出版社に対する要望を問う設問も含まれている。なお、このファイルのプロパティに「会社名:株式会社講談社」という記述があったことから、身分を偽っているのではないかという指摘がblog上で掲載され、今回の事態の発覚に至った。
 講談社広報室によると、なぜ数ある大学の中で「慶応義塾大学総合政策学部」を名乗ったかについては、「現在聞き取り中ではっきりとしたところはわかっていない」とのこと。さらに、関係者に総合政策学部関係者がいたのではないか、との質問には「社内には早慶出身の社員も多く可能性は大きいが、出身学部までは未確認」と否定はしなかった。
 今回の一連のメール送付はチームとしての判断で行った行為であり、身分を騙ることについても全員で共有していたという。また、添付ファイルのプロパティまでが正確に偽装されていた場合発覚しなかったのではないか、と尋ねると「普通に考えればまずいことであり、いずれは社内で発覚したものと思う」とやや言葉を濁した。
 義塾側にも28日(水)の18時頃に連絡があり、現在は対応を交渉している段階。なお、連絡の内容や今後の対応について義塾広報室は「具体的な内容は、お話しすることができません」と答えた。