新川崎、日吉、三田、目黒、渋谷、池袋。いずれも10年後には湘南台から電車1本でアクセスできるようになる駅だ。既に着工されている相鉄からJR・東急への乗り入れ線は、湘南台へのアクセスルートを飛躍的に広げる。


 二俣川から横浜方向に2駅、ホーム上を東海道新幹線が貫く相鉄西谷駅。この駅が湘南台の地理を大きく変える新線の起点となる。相鉄とJR線と東急東横線の3線の線路を結ぶ「相鉄・JR直通線」は一昨年に着工された。

相鉄西谷駅。上を通るのが東海道新幹線。
 新線は2つの区間に分けられる。まず最初の区間は、西谷駅から横浜市北部に位置するJR線の横浜羽沢貨物駅付近までの約2.7kmの区間で、運行開始は2015年4月予定。10両編成の列車が、西谷駅、羽沢駅(仮称)、新川崎駅、武蔵小杉駅、大崎駅などいわゆる「湘南新宿ライン」の経路を辿り、渋谷新宿方面へと向かうことになりそうだ。
 既に発表されている運行計画では、朝ラッシュ時に毎時4本、その他でも2-3本の運行頻度が予定されている。湘南台-渋谷間の所要時間は約51分と1時間を大きく割り、乗り換えもない。

現在の横浜羽沢駅。貨物ターミナルが広がっている。
 もう1つが、羽沢駅から日吉駅へ向かう約7.3kmの区間。途上の新横浜・綱島に2つの駅を設け、さらに日吉からは東急東横線と目黒線の2つの路線に乗り入れる。完成はさらに4年後の2019年4月予定だが、この区間の開業による影響はかなり大きい。
 まず、湘南台から新横浜までほぼ一直線で結ぶルートができるため、この区間の所要時間が約23分へとほぼ半分に短縮される。その先日吉を通って、渋谷までは約43分、目黒までは約48分。さらに、東急東横線は東京メトロ日比谷線と副都心線へ、東急目黒線は東京メトロ南北線及び都営三田線へと直通するため、三田や四ツ谷、大手町、新宿三丁目といった地下鉄の各駅まで乗り入れる可能性が高い。
 東急への乗り入れ本数は、朝ラッシュ時で10-14本、その他の時間帯でも4-6本程度と決して少なくない。日吉や三田キャンパスへのアクセスも、乗り換えがなくなり所要時間も短縮されるため、便利になる。
 そして、この一連の新線が、湘南台を含む相鉄沿線の交通を大きく変えることは間違いない。横浜駅を一旦経由するため混雑が生じる現在のルートを大きく塗り替え、都心と直結する。様々な面で「SFCへの道」の変化を握ることになるだろう。