誰もが自由に移動し容易に交流できる、創造的・文化的な社会を。12日(日)、義塾が進めるコ・モビリティ社会の実現に向けて、自動運転技術の実証実験が宮城県栗原市で行われ、一般市民らが自動運転車両を体験した。

自動運転車両

「コ・モビリティ社会の創成」とは、現実社会と情報空間を融合した新たなコミュニティの実現を目指すプロジェクト。国内4拠点を中心に研究が進められており、栗原市では地方過疎地域でのコミュニティ形成をテーマに実験が行われた。
 12日に行われた実証実験では、栗原市内の閉鎖中の遊園地を舞台に、自宅から商店街までの移動を想定した実験が行われた。一般市民は小型の自動運転車両に乗り込み、シームレスな移動を体験した。また自動運転技術を応用した遠隔操縦による商店も登場。八百屋をイメージした車体にはテレビ電話が搭載され、遠隔地にいる店主とコミュニケーションを楽しめる。
 実験に参加した市民は「子供の通学や高齢者の通院に便利だと思います」と話し、実現に向けて期待感を示した。

大前准教授

本実験では主に清水・大前研が自動運転技術、小川・古谷研がコンテンツ設計を担当。清水浩環境情報学部教授は「電気自動車と自動運転は世界を変える革新的な技術。10年後には実際に市街地でも走行できる状態にしたい」との考えを示した。大前学政策・メディア研究科准教授は、「実験を通して様々な課題が見えた。たくさんの人々が安全に移動できるような、信頼性のあるシステム構築を目指したい」と話した。
 2006年12月、文部科学省は実用化を見据えた研究開発拠点の形成を目標に、大型の競争的研究資金「先端融合領域イノベーション創出拠点の形成」への提案課題を全国から公募した。結果9プロジェクトが採択され、義塾の「コ・モビリティ社会の創成」も採択された。