21日(金)、危機的な状況にある日本農業を警告すべく、セッション「危機的状況にある日本農業-IT技術が貢献できる食料戦略-」が行われた。


 神成淳司環境情報学部専任講師が司会を務め、パネリストには参議院議員・元全国農業協同組合中央会専務理事である山田俊夫氏、株式会社大地を守る会 取締役総合政策本部長である野田克己氏、宮台真司首都大学東京教授が招かれ、各人が日本の農業の問題点を指摘した。

セッション

山田氏は参議院議員の立場から、日本の農産物の輸入は少数国に頼りすぎており、中でもアメリカ、オーストラリア、カナダは輸入全体の半分を占めているため、このパイプが切れたら大変なことになってしまう、と語った。
 また、野田氏は大地を守る会の仕事として、初の無農薬野菜の個別宅配や、安心して農作物を食べてもらうために生産者との交流の場を作っていることを語った。
 しかし宮台氏は、実際には高すぎる無農薬野菜の個別宅配はお金のある人にしか利用されないし、忙しい現代人には生産者との交流の場があったとしても行くことはできないなどの問題を指摘した。
 そんな中、司会の神成講師はITの農業における役割として、今まで家族経営にこだわってきた分、農業に関するノウハウがフォーマット化されていない。そんな今だからこそITを使い、30年かかって伝えてきたものを3年で伝えるようにする努力が必要だと語った。
 最後に、山田氏・野田氏は、新しいITと農業の関係性に期待すると述べ、宮台氏は農業や日本という土地に対する教育が必要だと主張し、このセッションは終了した。