先週の國領二郎総合政策学部長へのインタビューに引き続き、今週は同じく再選を果たした村井純環境情報学部長にお話を伺った。村井学部長が見据えるSFCの将来像とは何か。独占インタビューです。

村井教授

震災後の今こそ、求められるSFC生

これから日本はどうなっていくのかということが今、皆が心配していることではないか。こういう時だからこそ、先導者たれという理念を掲げている慶應義塾大学の塾生は、やるべきことがあるはずだ。そして今こそ新しい一歩を踏み出す、新しいものに取り組み問題を解決しようとするSFC生の存在は重要になる。SFC生が新しい問題に取り組み、解決しなければならない。

SFCの理念に合わせたカリキュラム作り

今年の3月に卒業していった卒業生は、新しいカリキュラムの一期生。新カリキュラムの下、SFCが輩出したいと考えている人材を実際に輩出することができたのかを調べるために、卒業生にアンケートをとった。結果、いくつかの反省点が見つかった。見つかった反省点のひとつとして、環境情報学部生は言語をとっていない、総合政策学部生は情報コンピューターをやっていないということがあった。
 誰もが情報の力を持ち、誰もが言語の壁に苦しむことなくグローバルに活躍できるというのが、SFC生に求める像だ。カリキュラムを、理念に合わせて組み替える必要がある。SFCでさえあれば、ひるまず世界と戦っていけると自負できるようにしたい。

横のネットワークを使い、本質に取り組む

横とのネットワーク、つまり教員同士の繋がり、SFC生同士の繋がりが重要だと考えている。そのためのバックアップも考える。多様な学生がひとつのキャンパスに共存するのが、SFCの面白いところ。多様性があることは、実効性の高いプロジェクトを行う時に強い。様々な分野の力を総動員することができるからだ。学ぶ分野が違う人とのネットワーク作りは、とても重要だと考えている。様々な活動に学生が関わり、主体的に取り組みことがとても大事だと考える。
 そして表層的・仮想的なことではなく、問題の実態・本質に取り組んでほしい。実際にひとりで行動をし始めるのは難しいかも知れない。でも本当に誰がはじめに言い出したか、ということよりも、ひとりひとりがちゃんと仕事にとりくんだか、どんなことを経験したのかが重要。社会に向けて、本当のことをやる。これが知のプラットフォームになりうる。

村井教授

「2011」これこそ重要なキーワード

これからを生きるSFC生にとって、2011年は重要なキーワードである。特に3.11を一緒に経験した仲間が、この年に同じこのキャンパスにいること、これは何年たったって変わらない事実。震災時の色んな課題、色んな思い、日本はこれからどう再出発していくのかを共に考えたこと自体が、とても大事なことだと考えている。今回の経験を上手く力にして、未来を切り開いていきたい。