28日(木)、環境情報学の創造の授業において、シリアスゲームの最優秀賞の発表があった。最優秀賞を受賞したのは、36班の「the discoverers」。今回、このチームのメンバー4人にお話を伺った。


 今回の取材に協力していただいたのは、柏野尊徳さん(総1)、近藤辰哉さん(環1)、鈴木絵美子さん(環1)、安形一輝さん(環1)の4名。チームには他に、武田友也さん(環1)、山田夏才さん(環1)、石塚千紗さん(環1)、高橋怜さん(環1)、近藤辰哉さん(環1)、木村徳沙さん(環1)、桂凛堂さん(環1)、橋本智仁さん(環1)がいるとのこと。

ドラッカーの経営理論を基に、水問題にチームで挑む

ゲームのテーマは、2030年の水問題。facebookのフレンドと共に世界的な水質問題を解決するのが、ゲームの目的になっている。また、ゲームを通してドラッカーの「強みを生かしたマネジメント」という理論を学べる。
 ゲームの流れは、性格診断とそのデータを基にしたシミュレーションの2つに分かれている。これはゲーム中で、カジュアルに楽しめる要素と、真剣に学べる要素を両立させようとしたため。最初はより本格的な経営を学ぶゲームにしようとしていたが、内容がマニアックになりすぎたため方向転換を行った。また、多くの人に遊んでもらうために、普段あまりゲームをしない女性にも親しみのある性格診断というテーマを選んだ。

役割分担を明確に、最大で週に5回のグルワ

グルワをする上で気を付けたのは、個人の役割を明確にすること。そのために、最初に班員を4つの役職に振り分けた。4つというのは、主にアイデア出しを行うプランナー、文字ベースのアイデアを絵に起こすアートデザイナー、ゲームの実装を行うプログラマー、日程など全体の管理を行うマネージャーだ。個人の強みを生かすことを考えて振り分けたが、うまく適材適所ができたと思う。
 中間発表で1位を獲得して以降、班全体のスイッチが入ってきた。イラストレーターを使えるメンバーがほとんどいないなど、問題はたくさんあったが、楽しんでグルワを進めることができた。

授業全体を振り返って

今年から、履修者にはプログラムを実装することまでが求められるようになった。プログラミングの授業を受けていない1年生に実装までさせるのは酷だという意見も多かった。しかし、今回履修者が求められたのは、完璧なプログラムを行うことではなく、挑戦して少しでも成長することだったように思える。もしくは、自班でできないのならば、他班の人に依頼するという手もあったはずだ。そこを理解できていないと、実際以上に重い課題に感じてしまうのではないか。
 しかし、その点に関するアナウンスがなかったことに関しては、教員側の配慮が足りなかったとも言えるかもしれない。まだSFCの「挑戦」という理念が浸透していない1年生なら、自分の手で完璧にこなそうとしてしまっても無理はないだろう。
 今回の取材中全員が仰っていたのは、「グルワが楽しかった」ということ。否定的な意見も多く聞かれた今回の環境情報学の創造だが、最優秀賞を取った班からは逆に肯定的な声が聞こえた。震災の影響で時間がない中、優勝班は様々な工夫を凝らしていた様子が伺えた。