2012年4月入学者を一般入試より先に選抜するアドミッションズ・オフィス入試(以下AO入試)。その第2期の合格発表が12日(月)に行われた。SFC CLIP編集部は、自らをSFCbotと称して、Twitterを活用した合格者、矢吹奏子さん(12年環入学予定)にインタビューを行った。

SFCとの出会い

Q.SFCを志望した経緯を聞かせてください。
A.大学については中学生の頃から色々と考えていました。美術に興味があり、美大への進学も考えたのですが、別の分野も含めて幅広く学びたいと感じ、教養科目も充実している慶應の文学部を志望しました。
 そういった経緯で慶應のオープンキャンパスに足を運んだのですが、そこでSFCという存在と出会いました。環境情報学部では私が興味のある環境問題とデザイン、この2つ両方学ぶことができると知り、ぴんときました。

入試を振り返る矢吹さん

Q.矢吹さんは最終的にSFCのみを目指したそうですが、そこまでSFCに惹かれた理由を教えて下さい。
A.慶應のオープンキャンパスで熱心に説明してくれたSFC生、秋祭で見たキャンパスや人の雰囲気が大きいと思います。環境情報学部のみの受験で心配になった時もありましたが、母には「自分の思うとおりSFCだけを目指せばいい」と言ってもらい、突き進むことができました。支えてもらったことを感謝しています。

ソーシャル受験生とは

Q.「ソーシャル受験生」になったきっかけは?
A.Twitterを本格的に受験用として使い始めたのは、志望校をSFCに絞り込んだ今年の4月頃からでした。当初、SFCの知り合いは数人しかおらず、SFCの情報がもっと欲しいと考え、教授の方々やSFC生をフォローしていきました。
 SFCが好き過ぎてTwitterで「もうさっさと結婚しようぜSFC!!!」などといった、若干ネタまがいのツイートをしていたらリツイートなどで広まっていき、知り合いが徐々に増えました。
 「ソーシャル受験生」という言葉も、実はTwitter上で名付けていただいたもので、これを私の代名詞にしてしまおうと思いましたね。「SFCbot」という名前もリアルの友人から、「SFCのことばかりつぶやいて、ボットみたい」といわれて使い始めた名前です。

矢吹さんのつぶやき

Q.Twitterで頻繁にSFCについてつぶやくのはなぜですか?
A.実はTwitterを使う前から、家ではSFCの話は頻繁にしていました。おそらく1日に50回位は話していたかと……。Twitterも同じようSFCの話をつぶやき続けました。
 中学受験の時も同じように「行きたい」と話すことが多く、これは自分の性格だと思います。執着心でしょうか。実際に言葉に出して「行きたい」と言うことが実現に近づくと思うので、マイナスなことはなるべく言わないよう心がけています。

実際の受験とTwitterの関係

Q.実際の受験にTwitterで得た人脈が助けになりましたか?
A.Twitterで得たつながりに一番助けられたのは志望理由書です。AO入試に先立って、SFCのOBの方や現役SFC生など様々な立場の人に志望理由書を読んでいただけて参考になりました。
 出願直前にも見ていただいて練り直すことができて、本当に助かりました。他には、日常的にSFCでやりたいことをつぶやくと、それに興味を持ってくれる人がいたり、中には具体的なデータを持ってきてAO入試の助けをしてくれる人もいました。

矢吹さんのつぶやき

Q.他にもTwitterの利点はありましたか?
A.AO入試という受験形式は、「どうすれば受かるのか」ということを自問自答すると思います。どうすれば自分が誇れることがアピールできて、どうすればSFC側に「私を取りたい」と思ってもらえるのか。考え出したら悩んでしまうことも度々ありました。
 自分の強みを考えても、やはり周りの人に比べて活躍の大きさや奇抜さでは勝てないのではないかと不安で。でも、Twitterを通して「私は他の受験生の誰よりもSFCの情報を知っている!」と自信になりました。また、SFC生や周りの受験生が私のツイートを読んでくれることも支えになりました。もしもAO入試を目指さなかったなら……きっとTwitterをやっていなかったと思います。

入試を振り返る矢吹さん

実際の面接、AO入試

Q.実際のAO入試はどうでしたか?
A.1期のAO入試では不合格でした。面接が終わったあとに「落ちてしまった」と感じて、2期の入試要綱を購入して帰りました。あの日のことはよく覚えています。
 2期は志望理由や方式を変更しなかったものの、1期よりも入念に準備しました。結果、第2期では面接がとても楽しかったです。リラックスして質問に答えられたし、何よりも自分が伝えたいことをはっきり伝えられ、嬉しかったです。もちろん、プレゼンの資料でも「ソーシャル受験生」について話しました。

「SFCbot」から「SFC”生”bot」へ

Q.今後の意気込みを聞かせてください!
A.SFCは勉強しつつ、やりたいことが変わっていくことを認めてくれる場所だと思っています。自分の軸を持ちながら、様々なことに触れて自分の引き出しを増やしていきたいです。
 現在は、環境教育を広めることに興味がありますが、これからやりたいことはどんどん変わっていくと思います。何かのめりこめるものを見つけて、SFCの中の人とも、外の人ともつながりを広げていきたいです。
 「ソーシャル受験生」として話題になった矢吹さん。今回のインタビューで、Twitterを通してつながりを活用している姿、そして自分の目標に対する執着心が垣間見ることができました。来年もたくさんの方が入学して、SFCのつながりが広がっていくのが楽しみでなりません。
 矢吹さんに限らず、また新たなSFC生が期待を胸に来年の4月にやってきます。今から出会いを楽しみに、そして暖かく迎えましょう。