9日(金)、2011年度秋学期の学業成績表がWEB上で公開されたが、前日の8日(木)時点で、学生によって作られた非公式WEBサイト「進級・卒業要件チェッカー」上にて、秋学期の成績情報が照会可能だったことが判明した。


 このWEBサイトで、ユーザーがkeio.jpアカウント/パスワードと学事WEBパスワードを入力すると、サーバーが学事WEBシステムから情報を取得することが可能だった。このWEBサイトを8日に使用したユーザーは、自身の秋学期の成績情報を閲覧することが可能な状態だったことになる。
 SFC CLIP編集部では、湘南藤沢ITCに対してこの事件について取材を行った。湘南藤沢ITCによれば、成績情報のデータベースは義塾全体の情報資産であり、ITC本部の管理下にあるという。そのため、現在ではITC本部による対応や情報公開を待っている状態とのこと。また取材に応じたスタッフは、学業成績表自体は開示している内容であるが、それを取得する方法には議論が必要なのではないかと語った。
 現在SFCをはじめとして塾内では、今回のWEBサイト以外にも自分の成績やSFC-SFSなどの情報を使ったサービスやシステムが数々考案されている。闇雲に規制や制限をするだけでなく、各学生が情報を適切に利用できるような仕組みが必要なのではないだろうか。
※3月10日(土)追記
 SFC CLIP編集部では、このWEBサイト「進級・卒業要件チェッカー」を公開している佐橘一旗さん(環3)に、公開の経緯について、取材を行った。佐橘さんの話によると、このWEBサイトが作成されたのはこの「フライング」が発生する半年ほど前の2011年9月。必修単位や取得単位数など、単位の管理を手作業で行うSFC生が多く、手助けできるツールとしてWEBサイトを発想し、作成に至った。つまり、このサイトは「フライング」を目的としておらず、単位管理のために作成されたものだと佐橘さんは語った。
 そのため今回問題となった、未公開の成績情報を前日に取得できてしまっていた現象については、全くの想定外で佐橘さん自身も利用者からの連絡で気づいたという。未公開の成績情報を取得するための特別な仕組みは用意しておらず、通常の情報取得する方法でサーバーから直接取得していたところ、未公開の成績情報が取得できてしまったとのことだ。
 そしてもうひとつ問題として挙げられるのは認証情報を預かるという点。佐橘さんはWEBサイトにユーザーのkeio.jpアカウント/パスワー ドと学事WEBパスワードを入力させ、認証情報を預かる以上、問題となる可能性も考えていたという。そこで利用はユーザーの自己責任であること、管理者である佐橘さんは悪用しないことをWEBページ上の利用規約に明記していた。加えて学内のサービスとしての利用を想定していたので、許容される範囲内なのではないかと語った。