18日(金)、「起業と経営」履修者の学生たちが、授業後にワークショップを開催した。「ウェルスダイナミクス」というフレームワークについて学ぶというテーマの下、熱いディスカッションが交わされた。


 ο棟の一室に集まった学生は約30人ほど。狭い教室には、普段の授業とはかけ離れた、和気あいあいとした雰囲気であった。参加者全員のtwitterプロフィールが配布されたが、ほとんどが1年生だった。
 ワークショップはまず、SFC生のイメージについて話し合うことから始まった。「意識が高いという話はよく聞くが、実際に意識が高いのは意外と一部」「常にアンテナを張っていて疲れている」などの意見が出た。次に、ゲスト講師の柏野尊徳さん(総3)によるウェルスダイナミクスに関する講義が行われた。
 ウェルスダイナミクスとは、心理的な特性に基づいて、人間を「スター」「サポーター」等の8パターンに分類するためのフレームワーク。このフレームワークに照らして自分を見つめ直すことで、自らの性格や考え方などをより深く理解することができるようになる。例えば、メンバーのモチベーションを高めるのが得意な「サポーター」タイプの人間は、コツコツとした事務作業には向いていない。あるいは、完璧主義の「メカニック」タイプの人間は、他人の感情を理解するのが不得意だ。柏野さんによると、これによって自分の取るべき立ち位置が明確に見えるようになり、チームワークが大きく改善されるとのこと。
 
 講義で概要を理解した後は、数人ずつのグループに分かれてディスカッションを行った。テーマは、「自分が当てはまるポジションはどこか」。参加者からは「自分の性格を口に出して説明したり、他人の意見を聞いたりしているうちに、自分自身への理解がより一層深まったように思える」との声が聞かれた。一方で、「一つに定まらない」「自分がどこに属するのかわからない」という意見もあった。
 
 このワークショップを企画したきっかけをスタッフの方々に伺うと、興味深いお話を聞くことができた。運営スタッフ代表の山田祐樹(総1)さんが「起業と経営」のtogetterを見たところ、「意識が高い」人と「低い」人の間で論争が起きいてたそうだ。このような対立は、お互いの考え方を理解出来ていないことが原因となっている。そこで、相互理解を促進し、更には自分のこともより深く理解してもらえるよう、柏野さんと共に「ウェルスダイナミクス」を紹介するWSを企画した、ということだ。
 SFCでは、他大と比べて「コラボレーション」をする場面が多いとよく言われる。授業や研究会でも、自分ひとりで黙々と作業をするより、他の学生と協働したり、話し合いをしたりする時間の方がはるかに長い。そんな沢山のチームワークが求められるSFCだからこそ、相互の考え方の違いを認めることはとても重要だろう。「SFC生に2つのタイプの在り方しかないなんてありえない!」そんな思いで開催された今回のワークショップ。これから「コラボレーション」を生み出していく学生たちに多くの学びを与えるものになったのではないだろうか。