SFCラボラトリー委員会が、7月18日(水)に研究会の合同説明会を開催する。学生が研究会を選ぶ補助をすると共に、研究会同士の交流も目的としているこの合同説明会について、主催者であるSFCラボラトリー委員会代表の奥田真嘉さん(環4)と、メンバーの岡部優さん(総4)、山口留以さん(総3)にお話を伺った。

—-団体を設立した経緯を教えて下さい。

「きっかけは代表である私自身の研究会所属歴でした。今は、上山研所属ですが、これまで徳田研、坂井研、國領研と所属してきました。そういった研究会所属歴を考えた時、SFCの研究会は、実際に所属するまで実情を知ることが出来ないという問題がある、と気が付きました。噂で聞いた情報のみならず、シラバスですら実情とギャップが存在するのです。さらに、学期ごとに活動内容が変わったりして、所属している人から話を聞かないと研究会を知ることは出来ないと考えました。そこで、企業の合同説明会からヒントを得て、『研究会に所属する人と話す機会を作ろう』と考えたのが団体を設立した経緯です」
 「私と、私の知り合いの小菅悠亮さん(環4)と大友崇弘さん(環4)と共に構想を考え、団体設立のための準備を6月初旬から始めました。組織の人数や戦略を詰め、6月第2週の月曜日にはSFC学事や國領二郎総合政策学部長に話をしに行きました。学事や教職員の方々も、SFCには多くの研究会が存在するにも関わらず、三田キャンパスのゼミナール委員会のような仕組みが存在しないことを疑問に思われていたようで、過密なスケジュールにもかかわらず協力していただき、なんとか開催にこぎつけました」
 「ただ、こうやって様々な協力を頂いておりますが、委員会は学生主体でやっています。國領総合政策学部長からも『私の権限で色々協力することもできるが、やはり学生主体で動くべき。ボトムアップでやるからこそ、この団体は意味がある』というフィードバックを頂いています」

—-説明会の参加状況はどうですか。

「7月4日(水)を研究会の募集締め切りにしています。月曜日から募集を始めて2日経ちますが、情報系、デザイン系、経営学系など、様々な分野の10個程の研究会から応募をいただきました。合同説明会はブース形式でやる予定です。参加していただける研究会には、最低限話してほしいこととして、研究会のテーマと求める学生像というのがあります。でも、研究会毎にニーズやモチベーションが全く違うと思うので、話す内容は研究会毎に自由でいいと思っています」
 「今は10個程の応募ですが、メジャー、マイナー問わず様々な研究会に参加して欲しいと考えています。1、2年生に向けた合同説明会として、多くの研究会に参加して欲しい。あまり有名ではない研究室も、1、2年生の選択肢にしたい。有名な研究会では、名前だけで入って来てしまう学生が溢れ、先生が『うちは厳しいよ』とネガティブキャンペーンを打たなければならないほど、人数が集まりすぎている。それは、学生にとっても、研究会にとっても不幸なこと。そういった点も、解消したいと考えています」
 「また、学生と研究会の交流、ということをメインに考えているので、既に研究会に所属している3、4年生も参加可能です。他の研究会とつながりを作ったり、コラボレーションを誘発するということもこの団体の目的の1つです。研究会同士の交流、という意味ではSFC Open Research Forum(以下、ORF)がありますが、ORFには全ての研究会が参加できるわけではありませんし、発表される研究内容もどこかよそ行きです。そういう意味でこの説明会は、ORFとは違う、素の研究会を知る機会になるはずです」

—-ラボラトリー委員会はどのようなメンバーで運営されているのですか。

「現段階でメンバーは3年生と4年生の7人だけです。メンバーを増やそうと思えば増やすことはできますが、スケジュールがかなり厳しいことを考えると、闇雲に増やすのも問題だと考えています。合同説明会を一度開催して、その後改めて組織と人事の戦略を考えたいと思います。将来的には、 三田キャンパスのゼミナール委員会のように親睦会などの開催ができれば良いのですが、とにかく今学期は研究会説明会をSFCに定着させることに注力したいです」
 「実は、この合同説明会は足がかりにすぎず、委員会としての最終構想は『学生が所属する研究会に横のつながりを作るため、合同説明会を基盤としたプラットフォームを作ること』です。SFC全体を人材プールに見立てて、学生同士やプロジェクト同士、研究会同士を結合させたいのです。共同研究が起こりにくいアカデミックな研究会の方も、必要な人材を外部から呼び込むことができますし、将来的にはコラボレーションに限らず、起業のようなアウトプットのプラットフォームとしても活用できるようにしたいと思っています。また、SFC-IVと将来的に連携する可能性もあります。まずは、学生と教員と学事のコミュニケーションをスムーズにして、将来的にステークホルダーを巻き込みたいです」

—-今後はどのように活動されていく予定ですか。

「とにかく合同説明会の営業活動を行っていきます。現在はtwitterやfacebookページ、WEBサイトの開設を行なっています。twitterは開設から2日で300フォローもいただきました。ただ、twitterなどでも告知をしましたが、まだまだ文化が根付いていないためか、あまり注意を向けてくれていないことがわかりました。そこで、授業でも告知させていただく予定です。また、フェイス・トゥ・フェイスで交流することで、先生や学生に思いを直接伝えていくつもりです」
 「先生方にも説明会をやりたいというニーズはあるはずです。質の良い学生が欲しい、とにかく学生の人数がほしい、そもそも研究会を知って貰いたい、など……。そもそも先生自身も、SFCをもっと良くしたい、という思いは持っていると思います」

(無題)代表 奥田真嘉さん(環4)

—-学生に向けたメッセージをお願いします。

「SFCのコンセプトとして、「問題発見」「問題解決」というのがあります。流動的に動く社会の中でその2つの目的を達成するためには、研究会の仕組みが固定化してしまっていいのだろうか、という思いがあります。学生がもっと主体的に動いて、教員を巻き込んでプロジェクトや研究会を回していける様にしたいです。1、2年生には、研究会に在籍している人とぜひ話をして、もっと幅広く研究会を知ってもらいたいですし、3、4年生には、研究会の内部という狭い範囲で閉じこもっていないで、もっといろんな人とつながって面白いことをしてみませんか、と言いたいです。そして先生方には、SFC生全体に対して先生の専門分野を教え、拡散して欲しいです。そして学生が社会につながるための役割を担って欲しいです」