昨年と同様に行なわれたSFCの未来を考察するこのセッション。未来創造塾を中心テーマに、豪華な顔ぶれがSFCの未来について議論を繰り広げた。


■パネリスト

・阿川尚之常任理事 / 総合政策学部教授

・國領二郎総合政策学部長・教授

・村井純環境情報学部長・教授

・徳田英幸政策・メディア研究科委員長 / 環境情報学部教授

・金子郁容SFC研究所長 / 政策・メディア研究科教授

・池田靖史政策・メディア研究科教授

・加藤文俊環境情報学部教授

・古谷知之総合政策学部准教授

・内藤泰宏環境情報学部准教授



 SFCの未来を考えるこのセッションの冒頭では、「生まれたときに、原点に戻る」として慶應義塾創立125年式典での石川忠雄塾長(当時)の演説を振り返った。緒方塾で学生たちが仲良く一日中勉強する様を、SFCに通う学生が残留をして勉学に励む姿になぞらえた。SFCでの学びが、ルーティーンになってはいないだろうか? 緒方塾のような活気を取り戻す策のひとつとして、未来創造塾を中心テーマにセッションは盛り上がった。



 村井学部長が「新たな滞在型施設をつくるにあたり未来創造塾に対する楽しい夢を教えてください」と質問を投げかけると、各パネリストから様々な回答が飛び出した。

【SFCの未来】1



 内藤准教授は、「滞在型の施設を作り上げるということ自体が楽しみ。学生、教員の区別なく、一緒に作り上げるというSFCの特徴を活かしたい」と述べた。

 加藤教授は「滞在型という仕組みに対応できるようなカリキュラムの変更の必要性を示唆し、未来創造塾が"安心して帰ってくることのできるhome"となり、暮らしの中に溶け込む勉強ができる場になって欲しい」と述べた。



 また、國領学部長は、「露天風呂のある温泉がほしい」と場を和ませたあと、on campus型の滞在施設があれば、学生が泊まり込みで切磋琢磨できるようになるとの考えを述べ、"みんなおいでと言えるようなキャンパス・未来創造塾"への夢を語った。

【SFCの未来】3



 また、未来創造塾が完成してからのSFCのあり方についても意見が述べられた。SFCでは学問分野を自由に横断して学ぶことができるという特徴から、基礎教養の不足について不安視されることも少なくない。未来創造塾という24時間キャンパスが実現するにあたって、この特徴をプラスの方向に伸ばしていきたい、との意見が聞かれた。



 最後に質疑応答の時間が設けられ、SFCに通う学生、SFCへの進学を希望している高校生、ORFへの来場者など、様々な視点からの意見・質問が出された。本セッションのメインテーマの一つである未来創造塾について、「計画が持ち上がってからの進行が遅いのではないか」という鋭い質問や、ORF以外に学生の研究成果を発表する場が欲しいという学生の声が飛び交い、どの発言に対しても各パネリストが丁寧に回答した。

 教授陣からの回答は、学生と教員が協力してSFCを創り上げる姿勢を推奨するものが多く、豪華な顔ぶれがSFCの未来について語る有意義な時間となった。

【SFCの未来】4