SFC生2人が立ち上げた株式会社ハピキラFACTORYが、週刊誌や新聞、ネットメディアなどで注目を集めている。ハピキラFACTORYとは一体どんな会社なのか、どんな学生が経営しているのか。代表取締役社長の正能茉優さん(総3)と、取締役副社長の山本峰華さん(総4)に話を伺った。

–ハピキラFACTORYはどんな会社ですか?



 ハピキラFACTORYは、地方の魅力を都会の女の子に伝えるコンサルティング会社です。

 地方には、実は魅力的な商材が沢山あるのですが、外見がいまいち若者向きではないんです。そんな隠れた商材を、都会の女の子でも親しみやすいように「ハッピー、キラキラ」に包装、加工して売る。また、こうした活動を通して地方を活性化させる。それがハピキラFACTORYです。

 今回、私たちは長野県小布施町の老舗和菓子屋「小布施堂」さんと提携し、栗菓子「かのこっくり」をバレンタイン用にプロデュースしました。渋谷パルコや、都内、長野のデパートなどで販売が始まっています。


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–設立の経緯を教えて下さい。



 2年半前の夏休みに、長野県の小布施町という小さな町で行われた、まちづくりのインターンに参加しました。そこで感じた地方の方特有の温かさとか、集まった学生たちのまちづくりへの熱意に感化されて、私たちもまちおこしをやってみようと考えました。

 まず最初に行ったのが、「小布施若者会議」というイベントを開催すること。この会議は若者をターゲットとして参加者を集め、まちづくりに関して話し合うもので、最終的には240人もの参加者が集まりました。会議そのものは本当に楽しかったのですが、やっぱり男の子が多いのが気がかりでした。どうしたら女の子が地方に興味を持ってくれるのかな。この思いが後々、ハピキラFACTORYが女の子をターゲットとする理由の一つになりました。



 小布施若者会議の帰り道、まだ会議の余韻が残る新幹線の中でのことです。私たち2人で「彼氏と会社、どっちが欲しい?」って話し合っていたんです。結果、彼氏は何歳でも作れるけど、会社はたくさんの人が応援してくれる大学生の今じゃないとできないよね、という話になりました。

 じゃあ宣言しよう、ということになり、Twitterで「クリスマスに彼氏じゃなくて、会社つくる」とツイートしたんです。そうしたら、どんどん拡散されていって。そんな勢いに乗って、ハピキラFACTORY設立までこぎ着けました。


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–悩みや苦労はありましたか?



 今、商品の在庫が150万円分ぐらいあるんです。つまり、150万円分の人の思い、期待、そして人生を背負っているのと同じなんですよね。だから、売れなかったらどうしようと考えると、胃が痛くなってきます。明日から渋谷パルコで売り出すんですけど、今日も胃がキリキリしてます。



 週間女性という雑誌に、かのこっくりが掲載されることが決定した時は大変でした。実は、取材が決まった時にはパッケージがまだできていなかったんです。そこで、慌てて徹夜でパッケージを作ったんですよ。深夜のマクドナルドで作業していたら追い出され、カラオケに駆け込み……。あのハートのパッケージが出来上がったのは、朝になってからでした。

 そして、週刊女性に掲載されたのが、その時にできあがった手作りのものです。そのまま、パッケージとして採用し、今に至ります。


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–今後の目標を教えて下さい。



 日本って、東京が中心にあって、地方がそれを追っていると思われがちです。でも実際は、日本に中心はなくて、たくさんの地方が集まって一つの国になってると思うんです。だからハピキラが広まって、それぞれの地方が元気になれば、日本全体がじんわりと明るく、元気になっていくと思うんです。これからは47都道府県を制覇して、各地にハピキラな風を吹き込んでいきたいと思います。