22日(土)、アリーナで今年の政策コーカスの最終発表が行われる。今春のテーマは「10年後のSFCと周辺地区の関わりについて学部長の視点から考える」だ。SFC CLIP編集部では政策コーカスのリーダー達にインタビューを行った。

仙田凌さん(総1) レストランをきっかけにSFCと遠藤を1つの共同体にしたい




 僕はSFCが遠藤地区に対してなにができるのか、という視点で政策を考えました。SFCは、たった20年前に遠藤に立ち入ってきた存在です。後から入ってきたSFCに主眼を置いた政策を考えるのは、間違っていると思いました。現在、SFC生は遠藤のことを知りませんし、遠藤の人たちもSFCについてよく知りません。このディスコミュニケーションを乗り越え、遠藤地区とSFCが区切りの無い、大きな共同体になる事が目標です。
 私たちは、その第一歩として、学生レストランを作ることを掲げています。ここが遠藤の人たちと学生とのふれあいの場となり、同時に、そこがSFCで学んだ経営や広告、デザインなどのノウハウを実践できる場になれば良いと思っています。このレストランをきっかけに、遠藤地区にSFCの学びが還元され、SFCも学びの実践の場を得ることで、お互いの利益になるような関係が生まれればいいと思います。

板部良平さん(総1) SFCを「まち化」します SFCity構想!





  僕はSFCityと銘打って、SFCをまち化する政策を考えています。いま、SFCと遠藤はお互いを活かし切れていません。SFCityは遠藤とSFCを1つのまちとして活かし合うことを目標としており、3+1のエリアから構成されます。
 第一のエリアは、新しくSFCの前まで引かれるいずみ野線の地下街に造る商業施設です。地下に造るのは、住民の方々の話から「自然は残したいが、都市化もしたい」という意見があったからです。
 第二のエリアであるウィットはSFCのことで、遠藤の人々も参加できるワークショップを開く事などを目標としています。
 第三のエリア、ヘルスは看護医療学部のことで、ここで住民の健康への意識を高めるためのイベントを行います。具体的には、看護の森でのウォーキングツアーなどを考えています。
 +1はその他の遠藤地区のことで、ここで農作業体験を出来るようにしたいと思っています。また、これらをつなぐmachicaというポイントカードを作ろうとしています。
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  • 岩本好礼さん(環1) SFCを文化の発信地に 学部長になにができるのか




     僕たちの班は、SFCの学びに遠藤の人たちが参加できるような政策を立案しようと思いました。学部長の立場で出来ることは都市の設計ではなく、大学が持つリソースを有効に活用することです。僕は、遠藤の方々へのインタビューから、SFCのリソースが全く遠藤に還元出来ていないことを感じました。
     そこで、SFCを遠藤に開くために様々な方法を考えました。
     第一に出店プロジェクトなどのリアルで行う文化交流プロジェクトを考えています。
     第二に、EnDO先生と名付けたネットを利用した交流を支援するプラットフォームを作ります。SFC生や遠藤に住む方々が、ネット上で講座を開ける仕組みです。SFC生が英会話教室を作る、遠藤の農家の方が農業体験会を開く、などの活動を簡単に行えるようにするためです。
     そして最後に出店プロジェクトやEnDO先生の最新情報を伝えるためのアプリ、E-communityを構想しています。



    林ハイディ軌歩さん(総1) 遠藤の人が本当に望んでいるまちをつくる



     私たちの班は遠藤の人々がどんなまちづくりを望んでいるのか、丁寧にリサーチしていきました。私は最初、遠藤の住民は豊かな自然を守っていくことを望んでいるのだと思っていました。ところが実際に話を聞いてみると、都市化を望む声も多いことがわかりました。ですので、自然を守りながらどのように都市化をするのか、そのときSFCに何ができるのかを考えました。
     現在、遠藤地区は高齢化の一途を辿っています。そんな場所で都市化をしたら様々な問題が起こります。例えば、伝統農法の絶滅や、絆や「たすけあい」の希薄化です。伝統農法をデータとして保存していくことも、都市における新しいコミュニティをデザインすることもSFCならば可能だと思います。これが成功することは、SFCが進行する高齢化に対し、1つの解答を示すことだと思います。

    藤原正賢さん(総1) 明日からでも、遠藤をワクワクさせられる政策



     僕たちは半学半教ワークショップというものを考えています。これは、遠藤地区の小学生とその親に向けたワークショップです。僕たちはSFCの自由なカリキュラムのもとで、自分の学びをデザインできますが、小学生は与えられた課題をこなすことが学びであると思っています。
     僕は興味のある学問を追求する楽しさを小学生に教えたいと考えました。これはSFCのためにもなると思います。小学生は吸収が早いので、すぐに「なんで?」と疑問が出てきます。彼らの疑問に答えるためにはその分野をキチンと理解しなくてはなりませんし、小学生の視点から生まれる「なんで?」から大学生が学ぶ事は多いと思っています。だから、半学半教ワークショップなんです。
     また、僕たちの政策は明日からでも実行できます。新しい駅も未来創造塾も建設案が出てから何年も経っていますが、それらを待っているより、今できる、ワクワクできるものを考えるのが重要だと思います。