ワラチャン! U-20お笑い日本一決定戦の決勝戦に伊藤颯さん(環2)、高松奈々さん(総2)の進出が決まった。ワラチャンは、日本テレビ開局60周年を節目に開かれた、次世代のお笑いチャンピオンを決めるコンテストだ。優勝チームには奨学金200万円が贈られる。決勝の模様は、12月のゴールデンタイムに、日本テレビ全国ネットで生中継される。


 伊藤さんは、進出したチーム「ドラッパ」のツッコミ役を務める。ワラチャンにむけた意気込みなどを聞いた。

owarai1伊藤颯さん(環2)


— いつからお笑いをやっているんですか?



 ハイスクールマンザイという大会に、高校1年生からずっと出ています。高校1年、2年は予選落ちでしたが、高校3年生で優勝して日本一になりました。

 優勝報酬として吉本の養成所の学費が免除されたので、大学1年生の時は、大学に通いながら養成所に通っていました。養成期間が終わって、大学2年生になったのと同時にプロデビューさせて頂ました。芸歴だと1年目ですが、漫才は5年やっています。


— 漫才を始めたきっかけを教えてください



 僕は水泳をずっとやっていました。でも水泳って、身長だったり、筋肉だったり、生まれ持ったもので決まってしまうところがある競技なんです。もちろん、努力をすればするほど上達はするんですが、同時に絶対に勝てない相手がいるということも分かってきます。

 でも、漫才は人によって感じ方が全く違うので、「これなら毎回北島康介が勝つわけじゃない! 漫才なら日本一になれる!」って思って漫才を始めました。一等賞が欲しかったんです。

 「ドラッパ」の相方はケニア人で、中高一貫校の同級生です。中学3年間見ていて、「面白いな、こいつと漫才やりたいな」って思って相方に誘いました。


— 学業と漫才のお仕事の両立は大変ではないですか?



 本分は学業だと思っています。卒業しないと親に心配をかけてしまいますし。僕はメディアアートについて勉強したくて、AO入試でSFCに入りました。

 今は小川克彦研究会で、4年生の先輩と一緒にArduinoやProcessingを使った電子工作のプロジェクトをやっています。

 仕事で学校に来れない時は苦しいのですが、SFC特有の履修スタイルや講義の方針のおかげで、楽しんで勉強についていけます。なので、仕事と学業をやっていて大変だと思ったことはないですね!

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— SFCで学んだことが漫才に生きたことはありますか?



 SFCとは、知識ではなくて、これからの時代に必要な知恵を学ぶところだと思っています。僕は「知識」を学ぶ勉強が嫌いで、高校までの勉強はさぼりがちでした。クイズ番組で知識を求められることもあるし、勉強してこなかったことを後悔したこともあります。

 ですが、SFCで学べる実学は「これからの未来のこと」であり、仕事をしていく上で最も重要なことだと思っています。実際に、講義の内容からネタを思いつくこともあります。


— ワラチャンに向けた意気込みを聞かせてください。



 実はドラッパは、1回戦のビデオ審査で落ちているんです。でも2回戦に出場する人が棄権して、繰り上がりという形で1回戦を通過しました。でも2回戦では生の舞台でお客さんから爆笑を取ることができました。

 舞台は本当に「生もの」です。ビデオ審査ではその場の空気感や間の取り方が、実際とは違う形で伝わります。漫才はその場にいるからこそ共有できる「生の空気感」がものすごく大切だと思っています。だからこそ、1回戦のビデオ審査で落ちたものの、2回戦以降は勝ち上がってこれたのだと思います。

 ワラチャンには、新世代の漫才師を育成するというテーマがあります。ここでぜひ日本一になりたいと思っています。


— ワラチャンにはSFC生の高松さんも決勝に進出されていますが、意識をされたりはしますか?



 高松奈々ちゃんとは高校のときから一緒にイベントに出ていて、ずっと交流があり、仲も良いです。でも同時に「負けたくない!」とも思いますね。


— ファンの方やSFC生へメッセージをお願いします。



 ワラチャンで優勝したら、優勝賞金で小川研の研究室のトイレをウォシュレットにします! あと、おめでとうと声をかけてもらえれば、お菓子買ってあげますよ(笑)

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 今後も現役SFC生がツッコミを務める漫才コンビ「ドラッパ」の活躍に注目だ。来週は、伊藤さんと同じくワラチャン! ~U-20お笑い日本一決定戦~の決勝に出場するSFC生、高松奈々さんのインタビューをお届けする。