日本テレビ開局60周年を節目に開かれる、次世代のお笑いチャンピオンを決めるコンテスト、ワラチャン! U-20お笑い日本一決定戦の決勝戦に、2人のSFC生の出場が決定した。1人は、先週の記事で紹介した「ドラッパ」ツッコミ役、伊藤颯さん(環2)。今回は、もう1人のSFC生「たかまつなな」こと高松奈々さん(総2)を紹介する。「お笑いを通して社会問題を提起したい」と述べる彼女に、ワラチャンに向けた意気込みや、女子大生とお笑い芸人という二足のわらじを履くことのやりがいや、苦労について聞いた。

owarai3高松奈々さん(総2)


— 「社会問題を提起する」ためのツールとして、なぜお笑いを選ばれたのですか?



 小さいころから、ずっとジャーナリズムに関心があり、中1から高3まで読売新聞の子供記者をやっていました。私の署名付きでたくさんの記事を書きましたが、感想をいただくのはいつも同世代の子供ではなく、大人の方からばかりでした。その時にジャーナリズムを通した問題提起は、限られた人にしか届かないのだということを感じました。

 そんなある時、母校であるフェリス女学院高校で英語のスピーチ大会があり、休憩時間に4人グループで英語を使って舞台上でネタを披露しました。スピーチ大会って結構寝ている子が多いのですが、私たちがネタをはじめた瞬間に生徒みんなが起きてくれて、大きな笑いが起きました。この経験から、お笑いという表現方法の魅力に気づきました。お笑いがもともと好きだったこともあって、メッセージ性をこめられる「お笑い」という表現法を用いて、社会問題を提起していこうと考えました。


— SFCではどんなことを勉強されているのですか?



 いろんな科目を勉強していて、教職課程も取っています。三田キャンパスの授業も履修していますね。

 研究会は、清水唯一朗総合政策学部准教授の「日本政治外交研究」という研究会に入っていて、政治番組の変遷を研究しています。政治や政策にまつわる授業が多いです。

 また、今年の春学期は「出版編集技術」という授業で、毎回新ネタを披露していました。同年代の受講生からフィードバックをもらえることもあり、とてもためになった授業でした。

 SFCの先生方はお笑いのプロではないけれど、みなさん本質を見る目をお持ちなので、お笑いのことについて相談すると、自分では気づいていなかった点についてアドバイスをいただくことが多々あります。


— ワラチャンに向けた意気込みをお聞かせください。



 私は昨年、19歳の時にR-1グランプリの準決勝にも出場しました。R-1でも絶対に負けたくないと思っていましたが、どこか「私が生まれる前からお笑いをしているような人にはやはり及ばないのでは」という気持ちがありました。

 でも、ワラチャンは20歳以下の大会ですし、R-1とは全く違った思いを持って臨んでいます。20歳で最年長の参加ということですが、他の参加者の方との経験に大きな開きはありません。だからこそ絶対に負けられないという思いが強いです。プレッシャーから、審査の前には全く寝られなくなったりもしました。


— お笑い芸人とSFCの大学生、二足のわらじで活動される苦労をお聞かせください。



 もう、めちゃくちゃ大変です。何が大変って、一番大変なのはスケジュール管理ですね。私は学業優先でお仕事をやらせていただいています。忙しくて全然寝られない時もありますが、それでもマネージャーさんや研究会のメンバー、バイト先の方などたくさんの人の支えと協力があるからこそ、なんとかやっています。

 1年生のときは、大学をやめようかと本気で考えていました。養成所に通いやすいような履修を組んでいたら、春学期で8単位も落としてしまったんです。結局、お笑いも学業も中途半端になってしまっていましたね。

 でも、秋学期がはじまってSFCに来ていたら、驚くぐらいたくさんネタを思いつきました。SFCで学ぶことが、お笑いの成長にもつながると気づいて、大学に通うことに対する意識が大きく変わりました。


— 応援してくれる方やSFC生にメッセージをお願いします。



 芸歴1年目で、日テレさんの特番にゴールデンタイムで出演させていただけたり、私は本当に恵まれています。この機会を大切にして頑張りますので、とにかくワラチャンを見てください!

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 また、25日(金)に日吉キャンパスで行われる「ウケる!社会学講座~笑って考えるお笑いLIVE~」というイベントに出演します。入場無料なので、SFCの方にぜひ足を運んでいただきたいです。


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